パイレーツ・シェルトン監督退任 後任はベンチコーチのドン・ケリー


パイレーツは現地木曜日、デレク・シェルトン監督を解任したと発表した。ここ数週間、ナ・リーグ中地区でチームが後退を続ける中で、この決断は既定路線と見られていた。

この発表は、パイレーツが開幕から大きく出遅れ、前日の敗戦で7連敗となり、通算成績が12勝26敗に落ち込んだ直後になされた。今季、チームは大きな期待を背負ってスタートしたが、波に乗れず、昨年7月以降は2シリーズ連続勝利すら達成できていなかった。

「デレクはこの5年以上、本当に熱心に取り組み、多くを犠牲にしてくれた」と、ベン・チェリントンGMは語った。「彼の家族もパイレーツファミリーの一員となってくれており、寂しくなるだろう。彼は非常に賢く、好奇心があり、情熱的な野球リーダーだった。就任当初、彼はこの仕事にふさわしい人物だったと思っている。しかし、今は変化が必要だとも感じている。デレクとその家族のこれからの人生に幸運を祈っている。」

「デレクは素晴らしい人物で、パイレーツとピッツバーグのために多くのことをしてくれたが、変化の時が来た」と、球団会長のボブ・ナッティングも述べた。「シーズン序盤は私たち全員にとってフラストレーションのたまる、辛い期間だった。私たちはもっと良い結果を出さなければならない。私もそう思っているし、ベンも、コーチ陣も、選手たちも理解している。

「まだ多くの試合が残っている。私たちは今、緊急性をもって行動し、チームと球団を立て直すための手を打たなければならない。」

シェルトン監督は、パイレーツでの5年強で通算306勝440敗という成績を残した。後任には、ベンチコーチのドン・ケリーが新たに監督に就任する。

今季のチームは度重なる故障にも悩まされていた。特に、右腕ジャレッド・ジョーンズ、二塁手ニック・ゴンザレス、そして今冬最大の補強とされた一塁手スペンサー・ホーウィッツの離脱が痛手だった。ただし、チームの問題はそれだけにとどまらなかった。

シェルトンが監督に就任したのは2019年11月。当時、球団はトラヴィス・ウィリアムズを球団社長に、ベン・チェリントンをGMに迎えるなど、大幅な体制刷新を行った直後だった。シェルトンには、チームの再建とカルチャー改革という大きな課題が与えられていた。

しかし、最初の3年間は厳しい成績が続いた。2020年の短縮シーズンでは19勝41敗と、近代野球史上で球団2番目に悪い勝率を記録。続く2021年には101敗、2022年には100敗を喫した。この2年間で、チームはシーズン最多選手起用記録を更新。ブライアン・レイノルズ、キブライアン・ヘイズ、ミッチ・ケラー、デービッド・ベドナーといった主力に加え、多数の外部補強選手やプロスペクトを投入してメジャー戦力の形成を試みていた。

そのような苦しい期間を経ても、パイレーツはシェルトン体制を継続する決断を下し、2023年シーズン序盤には契約延長も行っていた。その年、チームは76勝86敗と大きく前進し、多くの有望株を昇格させた。若いクラブハウスをまとめ、シーズン終盤2か月を実質的に先発投手2人(ミッチ・ケラーとヨハン・オビエド)でやりくりしながら、ブルペンゲームやオープナーを駆使した采配は高く評価された。チームには近い将来、ポストシーズン争いに加われる期待感が漂っていた。

しかし、シェルトンの下でその“次の一歩”を踏み出すことはできなかった。2024年にはポール・スキーンズやジャレッド・ジョーンズがローテーションに加わったにもかかわらず、最終成績は前年と同じ76勝86敗に終わった。トレード・デッドライン時点では「買い手」となり、8月頭にはポストシーズン圏内まで2ゲーム差と肉薄していたが、その直後に10連敗を喫し、8月中旬には早々に争いから脱落した。

今オフには打撃コーチのアンディ・ヘインズとブルペンコーチのジャスティン・メッケージが退任するなど、コーチングスタッフに若干の入れ替えはあったが、チェリントンGMの推薦により、シェルトン続投が決まっていた。

この春季キャンプでシェルトンは「2025年に競争力のあるチームになるには“細部で勝つこと”が求められる」と語っていたが、それを実行することはできなかった。シーズンはマイアミでの3連敗で始まったが、いずれもサヨナラ負けという衝撃的なスタート。開幕からの3敗がすべてサヨナラ負けとなったのは、1924年のパイレーツ以来の出来事だった。以降、チームは一度もリズムに乗れないまま低迷を続けていた。

ドン・ケリーは、シェルトン政権下の6年間、ベンチコーチとしてチームを支えてきた。それ以前は2019年にアストロズの一塁コーチを務めている。ペンシルベニア州バトラー出身で、ピッツバーグのマウント・レバノン高校、ポイント・パーク大学を経て、2007年にパイレーツでメジャーデビュー。その後9年間プレーした経歴を持つ。

「私は強く信じている。ドニー(ケリー)は今このチームを率いるのに最適な人物だ」とチェリントンGMは語った。「彼はこの仕事をうまくやっていくためのスキルと経験を持ち、そしてパイレーツとピッツバーグを心から大切に思っている。今後さらに密に連携していけるのを楽しみにしている。」

「ドニーはクラブハウス内でも、そして球団全体でも、最も尊敬されている人物の一人だ」とナッティング会長も述べた。「彼はまさに“パイレーツそのもの”であり、その血は黒と金でできている。誰よりもこのチームと街に情熱を注いでいる。ドニーこそが、チームを軌道に戻すためにふさわしい監督だ。」

アレックス・スタンプ:MLB.comパイレーツ担当
引用元:mlb.com

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