ロサンゼルス――現地金曜日の夜、ドジャー・スタジアムには野球界の視線が集まっていた。なぜなら、現在最高峰と称される2人の投手が激突する試合だったからだ。そして、ポール・スキーンズはその期待に応えるどころか、ドジャースのエース・山本由伸を上回るパフォーマンスを見せた。
スキーンズは今季最高とも言える投球を披露し、6回1/3を無失点、シーズン最多となる9奪三振を記録。打者に許したのは5安打のみで、四死球はゼロ。強力なドジャース打線を封じ込め、パイレーツの3-0の勝利に大きく貢献した。ロサンゼルスとの対戦はこれでキャリア3試合目だったが、間違いなく最も支配的な内容だった。
試合前、パイレーツのデレク・シェルトン監督はスキーンズについてこう語っていた。
「彼はキャリアこそ若いが、すでにライブラリー(データベース)を持っている。どう攻められるか、どう対処するか、しっかり把握しているんだ。特に、同じ地区ではないチームに対して2度目の対戦でこれができる投手は、そう多くない。彼は自身のライブラリーを活用して、必要な球を選択できる。これは本当に特別な能力だよ。」
山本はこの日、今季最多となる4四球を与えるなど、ベストコンディションとは言えなかった。とはいえ、試合を通じて得点チャンスは限られており、だからこそスキーンズが完璧な投球を続ける必要があった。
パイレーツは初回に1点を先制したものの、2回から4回までは両先発投手がゼロを並べる展開に。そして5回、パイレーツが山本からさらに2点を追加し、リードを広げた。
この試合で、パイレーツは今季の山本から初めて2点超えの得点を記録したチームとなった。
一方のスキーンズは、ドジャース打線を巧みにかわしながら、被安打5を許しながらも、ほとんどピンチらしいピンチを迎えなかった。
ドジャースはスキーンズに対して一度も二人以上の走者を出せず、唯一三塁まで進んだのは、4回裏、先頭のフレディ・フリーマンがライトのブライアン・レイノルズのエラーで出塁した場面のみだった。スキーンズは、テオスカー・ヘルナンデスをサードゴロ、トミー・エドマンを空振り三振、ウィル・スミスをフライアウトに抑え、このピンチも無失点で切り抜けた。
比較的ストレスの少ない投球内容だったとはいえ、6回終了時点で103球に達していたスキーンズが、7回もマウンドに上がったのはやや意外だった。しかしスキーンズはわずか5球でウィル・スミスを空振り三振に仕留め、最後のアウトをきっちり奪った(決め球はお得意のスプランカー)。
この日の108球は、メジャーでの自己最多投球数。大学時代(LSU)には何度も超えていたが、プロでは初めての到達となった。
カリフォルニア州オレンジカウンティ(レイクフォレスト)出身のスキーンズにとって、ドジャースタジアムは“地元”でもあり、この日はスイート席に家族や友人ら多くの応援団が駆けつけていた。ちなみに昨年のドジャースタジアム登板(8月10日)は、唯一4失点を喫した苦い思い出だったが、今回は完璧にリベンジを果たした形となった。
サラ・ウェクスラーMLB.comロサンゼルス支局記者
引用元:mlb.com