グレンデール(アリゾナ州)発 — ドジャースの佐々木朗希が火曜日の朝、「ハイブリッドBゲーム」と称された実戦形式の試合でホワイトソックス打者と対戦。その初球打者となったのがホワイトソックスの有望株カイル・ティールだった。
そして、ティールは佐々木の2球目を捉え、右中間へ豪快なホームランを放った。この一撃により、佐々木の実戦登板は不安なスタートとなったが、その後の3イニングは落ち着きを取り戻した。
MLB Pipelineのトッププロスペクト対決
この試合は、MLB Pipelineのトップ100プロスペクト同士の対決でもあった。佐々木は全体1位、ティールは32位にランクインしている。
両選手とも今オフに新たな球団へ移籍。佐々木は千葉ロッテマリーンズからポスティングを経てドジャースと契約し、ティールは、レッドソックスからホワイトソックスへトレードされ、ギャレット・クロシェとの大型トレードの一部として加入。
佐々木、徐々にペースを取り戻す
ティールにホームランを打たれた後、佐々木は数多くのゴロを誘発。守備陣がいればアウトになっていた可能性が高い打球が続いた。さらに、初回の最後にはこの日唯一の空振り三振を奪い、試合を締めくくった。
ロバーツ監督「彼は競争を恐れない」
「彼は16歳の頃からスター選手だ」とドジャースのデーブ・ロバーツ監督は語る。「これまであまり打たれた経験がないかもしれない。でも、本当にエリート級の投手たちは、打たれたときにどう対応するかが大事だ。彼は競争を恐れない。それが彼の持つ資質の一つだ。」
2回は完璧も、3回にやや失速
佐々木は2回を3者凡退に抑え、順調な投球を見せた。しかし、3回にはやや失速。ホワイトソックスの有望株ティム・エルコに鋭い打球を許し、さらに2つの四球を与えて降板。
「彼らにとって佐々木や他の投手と対戦できたのはエキサイティングな経験だ」とホワイトソックスの選手育成部門ディレクター、ポール・ジャニッシュはコメント。「佐々木にとっても、今回が初めて相手打者と対戦する機会だったわけで、その瞬間に立ち会えたのは特別なことだ。両選手とも今シーズン中にメジャー昇格のチャンスを掴んでほしいね。」
ドジャースキャンプでの初の対外試合
佐々木にとって、今回が今春2度目のライブピッチング。先週はドジャースのチームメイトを相手にライブBP(実戦形式の打撃練習)を行い、選手や球団関係者、ファンが見守る中での投球となった。今後のさらなる適応と成長が期待される。

23歳の佐々木朗希は、まだカクタスリーグの公式戦には登板していないが、3月18〜19日に行われるドジャース対カブスの「東京シリーズ」第2戦での先発候補に挙がっている。なお、第1戦の先発は山本由伸が務める可能性が高い。
ドジャースは、スプリングトレーニングでの佐々木の調整状況を見極めた上で、日本の地での初登板を確定させる方針を取っている。
短縮キャンプの中でMLBへの適応をサポート
昨春の山本と同様、球団は佐々木がスムーズにメジャーリーグの環境に適応できるよう、慎重に調整を進めている。さらに、今年はスプリングトレーニング期間が短縮されているため、その難しさは増している。
「まずは、昨年山本と同じように環境に慣れさせることが最優先だ」と、ドジャースの投手コーチ、マーク・プライアーは日曜日に語った。
「まずはアメリカの野球スタイル、練習方法、ミーティングの進め方などに慣れさせること。最初の数週間は、お互いを知ることが目的だよ。そこから段階的に進めていき、佐々木自身が重点的に取り組みたい課題を見極めていくつもりだ。」
23歳のティールは、2023年のMLBドラフトで全体14位指名を受けてプロ入りし、昨年が最初のフルシーズンとなった。2Aポートランドと3Aウースターでプレーし、505打席で打率.288、出塁率.386、長打率.433を記録。今季中にメジャー昇格のチャンスを掴む可能性がある。
26歳のエルコはMLB Pipelineのトップ100プロスペクトには入っていないが、彼にも今季中にメジャー昇格のチャンスがある。長打力が武器で、土曜日のスプリングトレーニング初戦で本塁打を放った。
佐々木と対戦したホワイトソックスの打者には、ジェイコブ・ゴンザレス、エルコ、ウィルフレッド・ベラス、トリスタン・グレイ、アンドレ・リプシャスらが含まれていた。
佐々木がアメリカの打者と対戦する機会を増やせば増やすほど、ドジャースは彼の現状を把握しやすくなり、メジャー登板に向けた準備を進めやすくなる。
「彼は今ちょうど期待していた段階にいると思う」とロバーツ監督は語った。「本人もまだ完成形ではないと言っているし、我々も同じ考えだ。彼の球種の組み合わせがメジャーリーグの打者にどう通用するのかを見ていくことで、彼自身の自信にもつながっていくだろう。」
ソニア・チェン:MLB.comドジャース担当
引用元:mlb.com