2025年のBBWAA賞各受賞者は…

MLB 大谷翔平 MVP

開幕戦が間近に迫っていますが、今のうちにアワード予想をするのに早すぎるということはありません。

MLB.comの59人の専門家が、2025年のBBWAA(全米野球記者協会)アワードの各リーグにおけるMVP、サイ・ヤング賞、新人王、最優秀監督賞の受賞者を予想しました。


目次

■ 最優秀選手(MVP)
【アメリカン・リーグ】 ボビー・ウィット Jr.(ロイヤルズ)

ウィットはこの投票で圧倒的な支持を集めました。実際、その表現では足りないかもしれません――彼は2位以下の選手の約6倍の票を獲得しました。しかし、これは驚くことではないかもしれません。首位打者のタイトル、2年連続での30本塁打・30盗塁達成、そして昨季のAL MVP投票で2位に輝いたことを考えれば、24歳のウィットは2025年にこの栄誉を手にする最有力候補といえるでしょう。

ウィットは昨季、打率.332、211安打でメジャー全体をリードし、9.4のbWAR(Baseball Reference版のWAR)は、満票でMVPを獲得したアーロン・ジャッジに次ぐ2位でした。彼はメジャーで年々著しい成長を遂げており、2023年から2024年にかけてOPSは.813から.977へと164ポイント上昇。もしこの成長曲線が続けば、歴史に残るシーズンを送る可能性もあるでしょう。

■ 他の得票選手
ガナー・ヘンダーソン、アーロン・ジャッジ、ブラディミール・ゲレーロJr.、ホセ・ラミレス、アレックス・ブレグマン、フリオ・ロドリゲス、ライリー・グリーン、アドリー・ラッチマン


■ 最優秀選手(MVP)
【ナショナル・リーグ】 大谷翔平(ドジャース)

ウィットほど圧倒的な票差ではなかったものの、大谷もナ・リーグでは圧倒的な支持を集め、2位以下の選手の2倍以上の票を獲得しました。しかしこれも、驚くべきことではないでしょう。

2025年には大谷が再びマウンドに戻る予定であり、昨季達成した歴史的な「50本塁打・50盗塁」シーズンを再現、あるいはそれに近づけなくても、4度目のMVP受賞は現実的です。右肘の手術からのリハビリを経て投手としてどこまで活躍できるかは未知数ですが、これまでの打撃成績に加え、投手としてリーグ平均レベルの成績でも残せば、彼が「最も価値のある選手」であることに異論を挟む余地はほとんどないでしょう。

■ 他の得票選手
フアン・ソト、エリー・デラクルーズ、フェルナンド・タティスJr.、コービン・キャロル、フランシスコ・リンドーア


■ サイ・ヤング賞
【アメリカン・リーグ】タリク・スクーバル(タイガース)

2024年にブレイクを果たしたスクーバルは、18勝4敗、防御率2.39、228奪三振で投手三冠を達成し、満票でア・リーグのサイ・ヤング賞を受賞しました。それを受けて、2025年も最有力候補として支持を集めたのは当然の流れと言えるでしょう。

左腕のスクーバルは昨季、MLB全投手中トップの6.4 bWARを記録し、タイガースを10年ぶりのポストシーズン進出に導いた立役者でした。防御率は2021年以降、毎年大幅に改善されており、昨年の2.39をさらに上回れば、2年連続での受賞に大きく近づくでしょう。

2024年の彼のパフォーマンスはそれほど圧倒的であり、2025年も同等の成績を残す限り、他の投手がこれを上回るには相当な活躍が求められるはずです。

■ 他の得票選手
ギャレット・クロシェ、コール・ラガンズ、ジェイコブ・デグロム、ローガン・ギルバート、マックス・フリード


■ サイ・ヤング賞
【ナショナル・リーグ】ポール・スキーンズ(パイレーツ)

2024年に新人王を獲得したスキーンズが、サイ・ヤング賞でも最有力候補となるのは、もはや「必然」とも言えるでしょう。昨季、彼はわずか23先発にもかかわらず、ナ・リーグのサイ・ヤング賞投票で3位に入るほどの支配的な投球を披露し、今回の予想でも他の投手の2倍以上の票を獲得しました。

ご参考までに――スキーンズは5月11日にデビュー後、11勝3敗、防御率1.96、133イニングで170奪三振を記録。この防御率と奪三振率(K/9=11.5)は、規定投球回に達していればMLB全体の先発投手でトップでした。さらに、彼は約20年ぶりとなる「新人オールスターゲーム先発投手」にも選ばれました。今季フルシーズンでこれを上回る可能性を考えれば、MLB打者にとっては脅威でしかありません。

■ 他の得票選手
ザック・ウィーラー、コービン・バーンズ、ブレイク・スネル、マイケル・キング、大谷翔平、佐々木朗希、ジャスティン・スティール、ローガン・ウェブ


■新人王
【アメリカン・リーグ】ジャクソン・ジョーブ(タイガース)

MLBパイプラインのプロスペクトランキングで全体5位に位置するジョーブは、スプリングトレーニングで好投を続け、タイガースのローテーション入りが濃厚と見られています。22歳右腕は、高速の高90マイル台のフォーシームと卓越した変化球を武器に、MLBの打者を安定して抑えられる実力を示しています。

昨季の短期昇格時には、メジャーの打者を被打率.071に抑え、今春は防御率3.65を記録。これに近い成績を2025年のレギュラーシーズンで残せれば、新人王獲得へ大きく前進するでしょう。ただし、レッドソックスのクリスチャン・キャンベル(内野手)とローマン・アンソニー(外野手)の両有望株が僅差で2位・3位につけており、熾烈な争いが予想されます。

■ 他の得票選手
クリスチャン・キャンベル、ローマン・アンソニー、ジェイソン・ドミンゲス、ジェイコブ・ウィルソン、ジャック・キャグリアノーン、コビー・メイヨ、コルソン・モンゴメリー、クマー・ロッカー、キャム・スミス、菅野智之


■新人王
【 ナショナル・リーグ】佐々木朗希(ドジャース)

佐々木のMLBデビューは、昨年のチームメイト・山本由伸以来の注目度ですが、100マイル超の速球と世界屈指のスプリットを擁する圧倒的な投球内容、さらに2023年WBCでの活躍により、その期待値はさらに別次元にあります。そのため、この投票でも圧倒的多数の支持を得ました。

23歳の佐々木は、今春の登板は限られているものの、オープン戦7イニングで無失点と結果を残しています。東京ドームでのMLBデビュー戦では3回1失点・5四球とやや荒れましたが、多くの関係者が「シーズンを通じてメジャーの打者を苦しめるだろう」と高く評価しています。

■ 他の得票選手
ディラン・クルーズ、マット・ショウ、ドレイク・ボールドウィン、ババ・チャンドラー、ダルトン・ラッシング、AJ・スミス=ショウバー


■最優秀監督賞
【 アメリカン・リーグ】アレックス・コーラ(レッドソックス)

MLB.comの同僚マイク・ペトリエロ氏は、レッドソックスを2025年の「世間が思っているより良いチーム」カテゴリーに位置づけています。昨季81勝81敗だったチームは、今季さらなる好成績を収める可能性があり、クロシェ投手、ビューラー投手、ブレグマン三塁手の加入や、有望株アンソニー、キャンベル、メイヤーの昇格が期待されています。

そのチームを率いるのが2018年のワールドシリーズ制覇を経験したコーラ監督。過去3年の低迷を脱し、サプライズとなればコーラの手腕が高く評価されるはずです。

■ 他の得票監督
A.J.ヒンチ、マーク・コッツェイ、マット・クアトラーロ、ケビン・キャッシュ、ダン・ウィルソン、スティーブン・ヴォート、ロッコ・バルデリ、ブルース・ボウチー、ジョー・エスパーダ、ブランドン・ハイド


■最優秀監督賞
【 ナショナル・リーグ】テリー・フランコーナ(レッズ)

「勝利がフランコーナに付きまとう」と評される名将が、2025年のレッズにも好影響をもたらすかもしれません。シンシナティは2020年以来ポストシーズン進出がなく、昨季は地区4位。しかし、エリー・デラクルーズら若手とオフの補強、そしてフランコーナの人柄と実績が合わされば、2025年は飛躍の年となる可能性があります。

実際、フランコーナには「オハイオの4位チームを翌年プレーオフに導いた前例」があります。2012年に68勝止まりだったクリーブランドを、翌2013年に92勝70敗でワイルドカードからポストシーズンへと導いたのです。レッズは昨季77勝。フランコーナの指揮で今季その数字が大きく伸びる可能性は十分です。

■ 他の得票監督
クレイグ・カウンセル、トーリ・ロブロ、カルロス・メンドーサ、デーブ・ロバーツ、パット・マーフィー、デレク・シェルトン、ブライアン・スニトカー、オリバー・マルモル、クレイトン・マカロウ、ボブ・メルビン、マイク・シルト、ロブ・トムソン


ジェイソン・フォスター:MLB.com記者
引用元:mlb.com

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