大谷翔平 キャンプで初のブルペンセッション「ボールの出方がすごく良かった」

MLB ドジャース 大谷翔平

グレンデール(アリゾナ州)――大谷翔平は、ドジャースがキャメルバック・ランチに戻った最初の週から多くの注目を集めています。数十人のメディア関係者が彼の動向を細かく観察し、数百人のファンがスーパースターの姿を一目見ようと興奮して集まっています。

そして土曜日の朝、スプリングトレーニングが始まって以来、多くのドジャース関係者が待ち望んでいた瞬間が訪れました。大谷が初めてブルペン投球を行い、二刀流復帰に向けて重要な一歩を踏み出しました。

大谷は14球を投じ、すべて2シームと4シームの速球でした。デーブ・ロバーツ監督によると、球速は92~94マイル(約148~151キロ)を記録し、「最初のセッションとしては素晴らしい」と評価しました。

「ボールの勢いが非常に良かった」とロバーツ監督は語りました。「彼自身も満足しているようだった。コマンド(制球)も良く、ボールの切れも申し分なかった。翔平にとって、とてもポジティブな一日だった。」


2023年9月に右肘の内側側副靱帯(UCL)を修復する手術を受け、さらに昨年11月に左肩の手術を受けた大谷翔平は、開幕戦には打者として出場し、5月頃にはメジャーのマウンドに復帰する予定だ。

ブルペン投球中、大谷は背後にいたコーチやスタッフと頻繁にコミュニケーションを取りながら、球速や変化のデータを確認し、自身の感覚と比較していた。ただし、使用していた計測技術の接続が不安定で、すべてのデータを取得できたわけではなかった。それでも、データが確認できた際には、それを次の投球に生かしていた。

ドジャースが期待していた通り、大谷は慎重かつ計画的に調整を進めている。

「彼は自分のボールがどう動くかを非常によく理解している」とデーブ・ロバーツ監督は語った。「彼の考えとデータの結果がほぼ一致していた。」


ドジャースが東京へ向かうまで、あと1か月を切っているが、ロバーツ監督は大谷がキャンプ終了前に実戦形式で打者と対戦する可能性があると考えている。ただし、複数イニングを投げる「アップダウン」の状態にまで到達するかどうかは不透明であり、それも今後の調整の一環として考えられている。

ドジャースは、大谷をオープン戦(カクタスリーグ)に登板させたり、シーズン中にマイナーリーグでのリハビリ登板をさせたりする予定はない。ルール上、二刀流選手は負傷者リスト(IL)に入ることなくリハビリ登板を行うことができるが、ドジャースはできる限り大谷を指名打者(DH)としてラインナップに入れ続けたいと考えている。

そのため、実際の試合に出場せずにどのように投球数やイニング数を増やしていくのかが課題となる。現時点では、シミュレーションゲーム(実戦形式の練習試合)を活用する方針のようだ。

「リハビリ中の選手には、シミュレーションゲームを多く行う」とマーク・プライアー投手コーチは説明した。「おそらく、その方法の一つを活用することになるだろう。具体的にどうするかはまだ決まっていないが、遠征時のベンチにいる選手を使うか、本拠地でマイナーリーグの打者を呼ぶといった形になると思う。」


大谷翔平を打者としても投手としても復帰させる上で最大の課題は、そのリハビリに確立された手本がないことだ。大谷自身、トミー・ジョン手術からの復帰経験を活かして、どのようにエリートレベルに戻れるかの見当はついている。しかし、2度目の肘の大手術からの復帰は、はるかに困難なものとなる。

スプリングトレーニングの初期段階では、ドジャースは大谷の打撃と投球の負荷を分けて調整している。しかし、キャンプ終盤に向けて負荷が増すにつれて、その方法が変わる可能性がある。また、さらに先を見据えると、球団の野球運営部門代表アンドリュー・フリードマン氏は、大谷が今季中に投手と指名打者(DH)を同じ試合で兼ねる予定であることを明かした。

多くの点で、ドジャースは大谷自身のフィードバックを頼りにしながら、彼のリハビリの進捗を判断し、どのように調整を進めるかを決定していくことになる。この未知の領域を切り開くには、彼の体の状態や回復具合に関する報告が不可欠だ。

「彼がやろうとしていることは極めてユニークであり、それが体にどのような負担を与えるのか、我々には過去のデータが存在しない。『この選手はこういう回復をしたから、同じようにすればいい』といった事例がないのです」とフリードマン氏は語った。「だからこそ、彼のフィードバックが非常に重要になる。彼自身が自分の体の状態を的確に把握しており、それを基に球団と積極的に意見を交わしていくことになる。」

ソニア・チェン:MLB.comドジャース担当
引用元:mlb.com

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