ポート・セントルーシー(フロリダ州) — ほとんどの投手にとって、スプリングトレーニングの成績はシーズンに向けた準備の一環に過ぎない。しかし、クレイ・ホルムズにとって、日曜日の登板で際立った数字があった。それは67だった。
「最近では最も多く投げた球数だと思う」とホルムズは語った。
過去のスプリングトレーニングでの球数記録は不確かで信頼性に欠けるが、67球はホームズのキャリアで2番目に多い投球数となる。彼がパイレーツ時代の2018年7月に先発登板した試合では82球を投じ、同年に64球と66球を投げた試合もあった。しかし、リリーフ転向後に50球を超えた試合は1度のみだったため、今回の投球は彼にとって重要な一歩となった。
「次の数回の登板は、最終的な球数の調整に向けて重要だと思う」とホルムズは語る。「また、打者が2巡目、3巡目になる中で、自分の球がどう通用するかを確認し、異なる方法でアウトを取る感覚を掴んでいきたい。」
この日のホルムズは、3回2/3を投げて1安打、3四球、無失点、8奪三振を記録(彼のキャリアハイは6奪三振)。投じた67球のうち38球がストライクだった。しかし、序盤は彼の代名詞とも言えるシンカーが思うように決まらず、持ち球すべてを駆使する必要があった。
「ちょっと工夫して投げる必要があったが、それが良い結果につながったと思う」とクレイ・ホルムズは語った。彼はチェンジアップがゴロを誘発し、多くの空振りを生んだことに触れ、「強制的にその球を投げざるを得なかったけど、良い結果が出たのは嬉しいね」と振り返った。
リリーフ転向後に封印していたチェンジアップの復活
ホルムズはこの春、チェンジアップの調整に取り組んできた。この球種は、2019年にリリーフ転向してからほぼ封印していたものだった。
「今日は本当に”投手”として投げることが求められた」とメッツのカルロス・メンドーサ監督は語った。「本人も言うだろうが、今日はツーシームが本調子ではなかった。それも先発転向の一環だよ。スライダーやチェンジアップ、カッター、フォーシームなどを駆使して、どんな状況でもイニングを乗り切ることが大事なんだ。今日はそれをやってのけたね。」
スプリングトレーニングでの圧倒的な投球
ホルムズは今春の3試合(9回2/3)で無失点を継続しており、わずか2安打、4四球、13奪三振という圧倒的な成績を残している。リリーフ時代にはほぼシンカー一本で抑える投球スタイルだったが、先発としての適応には多彩な球種の活用が不可欠だと本人も理解している。
「これまでのやり方とは違う。でも、それを楽しんでいる」とホルムズは語った。
「ただ投げ込みながら、どれくらいの状態なのか確かめている感じだね」とクレイ・ホルムズは語った。「ブルペンでは調子が良かったし、序盤も良かった。でも、試合のスピード感の中で、さまざまな状況でどう感じるかを確かめるのが大事なんだ。」
今後の登板でさらなる調整へ
開幕までにあと2~3試合の先発機会がある中で、ホルムズはこれまで経験したことのないレベルまで球数を増やすことになる。日曜日の登板では15人の打者と対戦したが、次回は2巡目の打者とも対戦し、3巡目に入る場面も想定している。
これは、ホルムズにとって新たな役割を学ぶ貴重な機会となる。メッツはショーン・マネイアとフランキー・モンタスの開幕負傷離脱が決まっており、先発ローテーションの穴を埋めることがホルムズの重要なミッションとなる。
「シンカーだけじゃない投球」を模索
「ただシンカーを投げるだけじゃなくなった」とホルムズは語る。「相手打者のスイングを見て、何を狙っているのかを考えながら投げる。複数回対戦する中で、先発投手としての役割をより実感できるはずだ。」
開幕前の残り数試合で、ホームズがどれだけ本格的な先発投手としての適応を進められるかに注目が集まる。
マーク・フェインサンド:MLB.com記者
引用元:mlb.com