グレンデール(アリゾナ州) — デーブ・ロバーツ監督は、レギュラーシーズンでの成功において基準を作ってきたように、監督としての報酬面でも新たな基準を打ち立てることになりそうだ。MLBネットワークのインサイダー、ジョン・ヘイマン氏によると、ドジャースとロバーツ監督は4年の契約延長で合意したという。球団からの正式発表はまだない。
MLB史上最高額の監督契約に
新契約は2029年までの4年間となり、年俸は800万ドル超と見られている。これは、2024年シーズン前にカブスとクレイグ・カウンセル監督が結んだ「5年総額4000万ドル」の契約を上回る史上最高額の監督契約となる。
ドジャースは3月18日・19日に開催される「2025年東京シリーズ」に向けて、水曜日に日本へ出発予定だが、その前に正式な契約が締結される見込みだ。東京ドームで行われる開幕2試合では、ドジャースがカブスと対戦する予定となっている。
ロバーツ監督は2022年のスプリングトレーニング中に結んだ3年契約の最終年に入るため、契約延長はドジャースにとって優先事項だった。最近になって交渉が加速し、ロバーツ監督は金曜日に「あと1ヤードの地点だ」と表現していた。
公式発表はまだだが、ロバーツ監督は前向きなコメント
月曜日のダイヤモンドバックス戦(6-2で勝利)後、新契約について正式発表はなかったため、ロバーツ監督は具体的な言及を避けたが、「シーズン開幕前に区切りがついたことに満足している」と語った。
「ワクワクしているよ。このチームに残りたいと思っていたし、きっと近いうちに正式発表があると思う。
ここは僕がずっといたいと思っていた場所だし、チームがやろうとしていることを心から愛している。」
9年間で球団を歴史的な強豪に
ロバーツ監督はドジャースを9年間率い、レギュラーシーズン通算851勝506敗(勝率.627)を記録。これはメジャーリーグ(AL/NL)の歴史上、1000試合以上指揮した監督の中で最高の勝率となっている。
ロバーツ監督は球団史上4番目に多い試合数(1,357試合)を指揮しており、ウォルター・オルストン(3,658試合)、トミー・ラソーダ(3,040試合)、ウィルバート・ロビンソン(2,735試合)に次ぐ記録となっている。
彼の監督キャリアが終わる頃には、これらの名監督と同様にクーパーズタウン(野球殿堂)入りする可能性が高い。
昨年、ロバーツ監督(52歳)はドジャースを球団史上8度目のワールドシリーズ制覇へ導き、ポストシーズンでの采配に対する評価を一変させることに成功した。
ドジャースはロバーツ監督就任以来、毎年プレーオフ進出を果たしており、ナショナルリーグ優勝4回、ワールドシリーズ制覇2回という実績を残している。
しかし、2022年・2023年と続いたナ・リーグ地区シリーズ(NLDS)敗退は、「ポストシーズンで勝ち切れないチーム」という評判を強める要因となった。
2024年のポストシーズンで変わった評価
昨年10月に突入したプレーオフでは、ドジャースは多くの困難に直面していた。投手陣は故障者続出で満身創痍の状態であり、野手陣も複数の主力選手が負傷を抱えながら戦っていた。
2024年のNLDSで対戦したのはサンディエゴ・パドレス。ドジャースは再び敗退の危機に立たされていたが、第4戦でブルペンデーを成功させ、シリーズ最終戦へ持ち込む采配を見せた。
そして、その後の展開はまさに歴史を作る瞬間となった。
選手からの称賛の声
エース左腕クレイトン・カーショウは、ロバーツ監督について次のように語った。
「ドジャースの監督を務めるには、多くの要素が求められる。彼がそれらをすべてうまくこなし、クラブハウスの雰囲気を和ませながらも、正しいマインドセットを維持しているのは本当にすごいことだよ。」
「彼はこのチームのリーダーだ」ドジャースの一塁手フレディ・フリーマンは今春のキャンプ中にこう語った。
「彼がいるからこそ、大谷翔平や僕、ミゲル・ロハス、昨年ギリギリの状態で戦っていた全員が、彼のために何でもやる覚悟があった。彼が評価されて本当に嬉しい。彼のポストシーズンの采配は本当に見事だった。」
一部の批判的な声は、「ロバーツ監督は毎年戦力が充実したロースターを与えられているため、実際の采配力以上に評価されすぎている」と指摘することもある。
しかし、スター選手が揃ったチームをまとめ上げるには、特別な能力が求められる。
選手からの評価:「人をまとめる力がある監督」
ドジャースの選手たちからは、ロバーツ監督の「人をまとめる力」を評価する声が多い。
MLB4球団を渡り歩いたテオスカー・ヘルナンデスも、ロバーツ監督の「選手やチーム関係者とのコミュニケーション能力」が今までの監督の中で最も優れていると語っている。
「彼は僕たちの気持ちを理解してくれる。スランプに陥った時、投手が調子を崩した時、その状況をどう扱うべきかを知っている。彼は長年プレーしてきた経験があり、野球をよく理解している。」
ソニア・チェン:MLB.comドジャース担当
引用元:mlb.com