▶ WARとは?
WAR(Wins Above Replacement)とは、ある選手が平均的な控え選手(Replacement Player)と比べて、どれだけチームの勝利数を増やしたかを数値で表した指標です。

打撃・守備・走塁(打者)
投球内容(投手)
すべてを統合して評価する、MLBでもっとも重視されている“総合貢献度”指標の一つです。

▶意味とイメージ
WAR = その選手がいなかったらチームが何勝少なかったか
たとえば WAR 6.0 の選手は、平均的な控え選手と比べて6勝分の価値があるという意味です。
▶ WARの目安と評価(年間)
WARの値 | 評価レベル |
---|---|
8.0以上 | MVP級 |
6.0〜7.9 | オールスター超一流 |
4.0〜5.9 | 主力選手 |
2.0〜3.9 | レギュラー級 |
0.0〜1.9 | 控え・平均的な選手 |
0未満 | 控え以下の貢献度 |
▶ 実例:大谷翔平の2023年WAR(例)
シーズン | WAR(Batting) | WAR(Pitching) | 合計WAR |
---|---|---|---|
2023年 | 6.4 | 3.1 | 9.5 |
👉 打者・投手両方でトップレベルのWARを記録し、MVP級の貢献度を示しました。
▶ WARの特徴と計算のポイント
◉ WARが評価する要素(打者の場合)
- 打撃成績(wOBAやOPSなど)
- 守備(ポジション補正含む)
- 走塁(盗塁、進塁など)
- 出場試合数(PA数)
◉ 投手WARは主に以下から算出される
- 防御率・FIP・被打率など
- 投球回数
- 球場補正など
💡 WARは算出機関(FanGraphs、Baseball Referenceなど)によって若干計算方法が異なりますが、基本の考え方は共通です。
▶ WARの活用ポイントと注意点
✅ 長所
- 単純な打率や防御率だけではわからない「総合的な勝利への影響」を評価できる
- ポジションや球場、守備の貢献も反映されるため、本当の“価値ある選手”が見える
⚠ 注意点
- 算出方法が複雑で、初心者には少しわかりにくい
- サイトごとに数値が違う場合がある(例:bWAR vs fWAR)
▶ 関連用語リンク
▶ よくある質問(FAQ)
Q:WARはなぜ重要なの?
→ 野球におけるすべての貢献を1つの数字で比較できるため、FA契約・MVP選考などで非常に重視されます。
Q:WARが高ければ年俸も上がる?
→ はい。MLBでは1.0WAR ≒ 約700〜800万ドルの価値とも言われています。
▶ まとめ
WARは「この選手がいることでチームが何勝多くできたか?」を評価する、もっとも信頼されている総合指標の一つです。
特にMLBファンにとっては、選手の本当の価値を比較するうえで欠かせない指標と言えるでしょう。