▶ BABIPとは?
**BABIP(Batting Average on Balls In Play)**とは、打者が打った“フェアゾーンに飛んだ打球”がヒットになる割合を表す指標です。
簡単に言えば「ヒットになった打球の割合」で、**打者にとっては“打球運”、投手にとっては“被打球運”**を示すとも言われます。

💡 ホームラン(HR)や三振(K)は含まれない点が特徴です。
▶ 計算式
BABIP =(安打 − 本塁打)÷(打数 − 三振 − 本塁打 + 犠牲フライ)
▶ BABIPの目安と評価
BABIPの値 | 評価・意味 |
---|---|
.350以上 | 非常に高い(好調・運が良い?) |
.320〜.349 | やや高い(良い打球が多い) |
.290〜.319 | 平均的(リーグ平均は約.300) |
.260〜.289 | やや低い(運が悪い or 打球が弱い) |
.259以下 | 非常に低い(極端に不調 or 運が悪い) |
▶ 実例:打者のBABIP
犠牲フライ:5
安打:150
本塁打:30
三振:120
打数:500
BABIP = (150 − 30) ÷ (500 − 120 − 30 + 5) = 120 ÷ 355 ≒ 0.338
👉 BABIP ≒ .338 → やや高め、打球がヒットになりやすい=打撃好調の傾向
▶ BABIPの活用ポイントと注意点
✅ 長所
- 打率よりも「打球の質」や「運」を反映しやすい
- シーズン途中の打率変動の要因を読み解く手がかりになる
- 投手の「不運な被安打」を判別する材料としても使える
⚠ 注意点
- BABIPは波が大きく、“実力”とは限らない(打球運・守備位置の影響が大きい)
- 特殊な打者(俊足やライナー性の打球が多いタイプ)は元々BABIPが高め
▶ 投手BABIPの見方
- 通常、投手のBABIPもリーグ平均に収束しやすい(.290前後)
- 被BABIPが異常に高い場合 → 守備や運の影響を疑う
- 被BABIPが異常に低い場合 → 実力(回転量・球質)で抑えている可能性も
▶ 関連用語リンク
▶ よくある質問(FAQ)
Q:BABIPは高い方が良い?
→ 一般的には高い方が打撃が好調とされますが、運の要素が大きく、持続性はないことも多いです。
Q:BABIPだけで選手の良し悪しは判断できる?
→ いいえ。あくまで「調子」や「運」の参考値。打率・OPSなどと組み合わせて判断するのがベストです。
▶ まとめ
BABIPは、選手の「打球がヒットになる確率」を示すユニークな指標であり、シーズン中の好不調を読み解くヒントになります。
ただし、数字の上下には“運”の影響もあるため、あくまで他の指標と合わせて見るべき補助的な数値です。