ピッツバーグ — アーロン・ジャッジが驚異的なペースで本塁打を量産し、野球史に名を残すような偉大な選手たちと肩を並べる記録を次々と打ち立てるなか、目を細めて未来を想像すれば──いつの日か、ニューヨーク州クーパーズタウンの晴れやかな会場で、ジャッジがその偉業について語る姿が思い浮かぶかもしれない。
「ジャッジのこれまでの1,000試合の実績だけでも、すでに殿堂入りにふさわしいのではないか」と金曜日に尋ねられたヤンキースのアーロン・ブーン監督は、即座に「間違いない」と答えた。クラブハウスの他の選手たちも同様の見解を持っているが、当のジャッジ本人は、そうした話題に踏み込む気はまだ全くないようだ。
「光栄な評価だけど、僕は“今”を生きている」と、ジャッジは語った。この日、ジャッジは2ラン本塁打を放ち、ヤンキースの9対4の勝利に貢献。パイレーツの本拠地開幕戦を台無しにした。
「やるべきことがまだたくさんあるし、自分にはまだまだ課題がある。そういう話は、数年後にすればいいさ。」
とはいえ、現在進行形のジャッジの活躍こそが、殿堂入りの議論を後押ししているのは間違いない。7回に左腕ティム・メイザから放った一発で、今季すでに6本塁打・17打点。これはメジャーリーグ史上、シーズン最初の7試合で記録された最多本塁打・最多打点である。
「よくやってるよ、坊や。このまま突き進め」と、ブーン監督は笑顔で語った。「彼はこの世代を代表する偉大な選手の一人だと思っている。」
エリアス・スポーツ・ビューローによると、通算321本塁打は、メジャー史上「キャリア最初の1,000試合」における最多記録であり、これまでの記録保持者はライアン・ハワード(279本)だった。
さらにこの「1,000試合で321本」という数字は、ベーブ・ルースがヤンキースで最初の1,000試合で記録した本塁打数と並ぶものである。
今週初めには通算500本目の長打も達成しており、ヤンキース史上でこれをより少ない試合数で達成したのはルー・ゲーリッグ(874試合)とジョー・ディマジオ(853試合)だけだ。
内野手オズワルド・カブレラはこう語っている。「彼は最高だよ。本当にそれ以上の言葉はいらない。GOAT(史上最高)って言っていいと思う。野球の実力だけじゃなくて、人間としても素晴らしい。彼には、すべてのことがふさわしいんだ。」
まさに毎日のように偉業を積み重ねていく姿に、ブーン監督も「目の前で“史上屈指のキャリア”が展開されていくのを目撃しているようだ」と語っている。
左腕マックス・フリードも「毎試合のように信じられないことをやってのける」と称賛。「たった一振りで試合をひっくり返すことができる選手だ。まさに“聞いていた通りの選手”。チームメイトとしても素晴らしいし、プレイヤーとしても一流。偉大な選手っていうのは、毎日それをやり続けられる。その安定感がすごいし、彼の取り組みを見ていれば、それも納得できるよ」と語った。
ジャッジは今春、スロースタートを避けるためにスプリングトレーニングでの調整方法を見直しており、その成果が今まさに表れているようだ。ア・リーグMVPを2度(2022年、2024年)受賞しているジャッジは、昨季は29試合目(4月28日@ミルウォーキー)でようやくシーズン6本目の本塁打を放ったが、最終的にはメジャー最多の58本塁打でシーズンを終えた。
では、今季はどこまで数字を伸ばすのか? それは誰にもわからない。ただ、金曜日の一発が試合の勝敗を大きく左右する場面ではなかったとはいえ、彼の過去の偉業を思い出させるような印象的な一打ではあった。
思い出されるのは2022年。ブルージェイズに在籍していた当時のティム・メイザは、ジャッジにシーズン61本目の本塁打を浴びた。これは1961年にロジャー・マリスが樹立したア・リーグのシーズン本塁打記録に並ぶ一打だった。ジャッジはその後、62本目を放ち、ついにマリスの記録を超えた。この出来事は、将来的に殿堂入りのプレートギャラリーで語られる物語の一章となるかもしれない。
すでに、ジェイ・ジャフェによる殿堂資格評価システム「JAWS」では、ジャッジは今この瞬間にキャリアを終えても殿堂入りの資格を持つとされている(もちろん、まだまだ彼は現役を続ける)。ヤンキースとの契約は2031年シーズンまで続いている。
「今は、さっき終わったばかりの試合のことだけを考えてるよ」とジャッジは語った。「そんな話は、もっと先の話さ。」
ブライアン・ホック:MLB.comヤンキース担当
引用元:mlb.com