ニューヨーク発 ー 今週、フアン・ソトが「アーロン・ジャッジが後ろに控えていないと違いを感じる」と語った発言が話題を呼びましたが、そのコメントの中で誰もが同意した点が一つあります――「ジャッジこそ、野球界で最高の打者かもしれない」ということです。
その言葉通り、ジャッジは水曜夜のロイヤルズ戦で決勝アーチを放ち、この日3安打の活躍でヤンキースを4対3の勝利に導きました。7回に放った勝ち越しのソロ本塁打は、まさにキャプテンの存在感を見せつける一打でした。
この勝利でヤンキースはロイヤルズとの3連戦をスイープ。昨年のアメリカン・リーグ・ディビジョンシリーズの再戦となったこのカードを、堂々の形で制しました。
「本当にすごいよね」と語ったのは、9回にMJ・メレンデスの同点打となりそうな打球を好捕し、フェルナンド・クルーズのキャリア初セーブを守ったコディ・ベリンジャー。
「どんな場面でも、彼(ジャッジ)が勝つような気がするんだ。彼は地球上で最高の選手だよ。そして、それを目の当たりにできるのは本当に楽しいことなんだ。」
今季初登板で5回2/3を3失点に抑えた右腕クラーク・シュミットもこう語った。
「彼はとにかくなんでもできるよ。まさに“キャプテン・アメリカ”だね。」
ジャッジはこれで今季7本塁打を放ち、メジャー全体でアスレチックスのタイラー・ソーダーストロム(8本)に次ぐ2位タイにつけている。
昨年は3〜4月にスロースタートだったことを踏まえ、今季は春季キャンプ中の調整方法を見直し、シーズン序盤からギアを上げることを目指していた。
ジャッジはこの日4度出塁し、打率(.409)・出塁率(.519)・長打率(.803)でメジャートップに立っている。ヤンキースのアーロン・ブーン監督は「今夜はすべてに集中できていた。見極めも抜群だった」と語った。
とはいえ、4月4日のピッツバーグ戦以来、10試合本塁打が出ておらず、チームメートから冗談交じりのいじりも入っていたという。
シュミットは「シングルとツーベースばかり打ってるように見えてね」と笑い、「“そろそろスタンドに入れないと”って話してたよ。彼自身も“シングルばっかりだよな”って言ってたし。だから、1本出たのは良かったね」と明かした。
ジャッジ本人は、7回の勝ち越しホームランについて「狙って打ったわけじゃない」と語っている。実際には、ジョン・シュライバーのシンカーを捉え、右翼ブルペンに運んだ。
ジャッジはこう語った。
「一番大事なのは出塁すること。今は打順も2番が多いし、中軸としての役割もある。だから、まずは一塁に到達することが自分の仕事なんだ。そのあと、後ろのバッターたちに任せればいいし、もしランナーが塁上にいれば、自分が返す役割も果たしたいね。」
この一発(ジャッジのホームラン)により、シュミットの好投で接戦を保っていたヤンキースが試合をものにした。
今春、ヤンキースはメジャー屈指の先発ローテーションを誇るとされていたが、ゲリット・コールのトミー・ジョン手術やルイス・ヒルの右広背筋の故障によって、その厚みは大きく削がれていた。
さらに、クラーク・シュミット自身も右肩の腱炎を抱えており、それによって開幕から故障者リスト入り。スタミナをつけるためにリハビリを続けていた。
実質的に左膝の炎症で離脱したマーカス・ストローマンの代役として水曜の試合に先発したシュミットは、マイナーで2度の好投を経て今季初登板。この日は73球を投げて4安打2四球、2奪三振、2失点という内容だった。
「ゲリット(・コール)を失ったのは大きく、簡単に埋められる存在ではないし、ギルも戻ってきている最中だ」とシュミットは語った。「でもだからこそ、自分がステップアップしなきゃいけない。ローテ全体で補わなきゃいけない。自分の役割は、5日ごとにマウンドに立って、安定した投球をして、チームに勝つチャンスを与えることだと理解してるよ」
シュミットは初回、サルバドール・ペレスにタイムリーを許して先制点を献上。その後は立ち直ったものの、5回にはカイル・イズベルに三塁打で1点、ジョナサン・インディアの内野ゴロで同点に追いつかれた。
一方、ヤンキース打線はロイヤルズ先発の左腕クリス・ブビッチから5回1/3をかけて3得点。3回にアンソニー・ボルピーが2点適時二塁打、4回にはコディ・ベリンジャーがタイムリーツーベースを放った。
ポストシーズンを含めると、ヤンキースは2021年8月11日以降のロイヤルズ戦で直近28試合中22勝6敗と、圧倒的な成績を残している。
「彼ら(ロイヤルズ)がどれだけ強いかは分かってる」とアーロン・ジャッジは語った。「だからこそ、今後また対戦するであろう相手からシリーズをしっかり取れることは大きい。この後のロードトリップにも勢いがつくよ」
ブライアン・ホック:MLB.comヤンキース担当
引用元:mlb.com