ヤンキース 今日も4本塁打を放ちブリュワーズ相手にスウィープ

ヤンキース MLB アーロン・ジャッジ

ニューヨーク — ジャズ・チザムJr.はバットを高く掲げ、打球の方向を操るかのように身体を傾けた。7回に放ったこの日2本目の本塁打が、歴史的な週末を締めくくる祝砲となった瞬間だった。

新たに導入された「トルピード」バットの助けもあり、チザムとヤンキースのチームメイトたちは記録的なペースで長打を量産している。日曜日の試合でもチームは4本の本塁打を放ち、ヤンキー・スタジアムでの3連戦をスウィープする12対3の勝利に繋げた。


「このバット、めっちゃ気に入ってるんだ。分かるでしょ?」と語ったのは、3回に2ラン、7回に3ランを放ったジャズ・チザムJr.。「見ての通り、かなりいい感じで打ててると思うよ」


アーロン・ジャッジも好調を維持しており、初回には右腕アーロン・シバーレから豪快な一発を放った。ジャッジは球団史上初めて、開幕からの3試合で4本塁打を記録した選手となった。メジャー全体でも、開幕3試合でより多くの本塁打を記録したのは、2015年にドジャースで5本を放ったエイドリアン・ゴンザレスのみである。


前日にア・リーグMVPのアーロン・ジャッジが自身3度目となる1試合3本塁打を記録したこともあり、疲弊した様子のブリュワーズは、この日ジャッジの残り3打席すべてで敬遠気味の四球を選択。すると、その後に打席に立ったジャズ・チザムが2度もスタンドに打球を運び、代償を払わせた。

「ジャッジを避けてまで自分と勝負してくるっていうのは、正直アドレナリンが出るよね」と語ったチザム。彼にとって今回の2本塁打は通算6度目のマルチ本塁打試合であり、昨年7月にヤンキースに移籍してからはこれで3度目となった。


ベン・ライスもこの日ヤンキースで今季初本塁打を放った。開幕戦で2本塁打、そして土曜日の20対9の大勝では球団新記録となる1試合9本塁打を記録しており、ヤンキースはこれで開幕からの3試合で通算15本塁打。これは2006年のタイガースと並び、メジャー球団の「シーズン最初の3試合における最多本塁打タイ記録」となった。

「ただただ、いい打席がたくさんあった。みんな自分のゾーンで積極的に打ちにいっている」とジャッジは語った。「本塁打だけじゃなくて、内容の良い打席が多かったよ。ランナーを進める打撃や、良い犠牲フライ、状況に応じた打撃があってね。そういうのが勝利につながるんだ。」


ヤンキースのアーロン・ブーン監督もこう語った。「ほとんどの選手がスイングの状態が非常に良い位置にある。ゲームプランをしっかり実行して、粘り強い打席を重ねてくれている。もちろん、毎回こういう日(大量得点)になるわけじゃないが、毎日のアプローチやメンタル面の準備には非常に満足しているよ。」


マーカス・ストローマンは4回2/3を投げて3失点で降板し、その後は4人のリリーフ陣がブルワーズ打線を1安打に抑えて締めくくった。しかし、シリーズを通じての主役は間違いなくヤンキース打線だった。彼らはすでに開幕から3試合で36得点を記録している。


これはメジャーリーグ史上3度目の快挙で、開幕3試合で36得点以上を記録したのは1954年のカブス(41得点)、1978年のブリュワーズ(40得点)に次ぐもの。

「今のホームランの飛び方には、僕ら全員がただただ驚いているよ」とストローマンは語った。「このチームのポテンシャルを目の当たりにしている。1番から9番、ベンチの選手まで、全員が特別な存在。打線が噛み合って熱くなれば、本当に特別なチームになれるんだ。」

日曜の4本の本塁打のうち、“トルピード”バットで放たれたのはチザムの2本だけだった。このバットはボウリングのピンのような形をしており、バレル部分が従来よりも打者の手元に数インチ近い位置にあるというユニークなモデルだ。


チザムは、スプリングトレーニング中にチームメートのアンソニー・ボルピーやオースティン・ウェルズが“トルピード”バットを使用しているのを見て興味を持ったという。ボルペのバットを借りて打席に立った初戦では二塁打を放ち、次の試合では本塁打を打ったとチザムは語った。

その時点で、彼はこの革新的なバットにすっかり魅了されたそうだ。このバットについては、メジャーリーグ機構(MLB)が日曜日に正式に使用が合法であると認めている。

「バレル(打球を飛ばすための最も効果的な打球部位)が増えているわけではないけど、そう感じさせてくれるんだ」とチザムは語った。「メンタル的に自信を与えてくれるから、どんな球でも打てるような気持ちになれるんだよ。」


日曜日のような活躍が続く中で、チザムは今季のヤンキースの可能性を信じるようになったという。

「俺たちはあちこちに“トルピード”をぶっ放してるんだ、分かるだろ?」とチザムは語った。「ボールをスタンド中に飛ばすし、守備もできるし、走塁のスピードもある。全方位においてやれるチームだよ。ここでは点を取って、試合に勝つことがすべてなんだ。」

「目標は──もちろん現実的とは言えないけど──162試合全勝すること。毎試合勝つつもりでグラウンドに出る。それが俺たちのマインドセットさ。」

ブライアン・ホック:MLB.comヤンキース担当
引用元:mlb.com

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