ニューヨーク発 — フアン・ソトは「最高の打者が後ろに控えている」状況から解放されたことで、打席での状況が変わったと語りましたが、その発言を受けてヤンキースのキャプテン、アーロン・ジャッジは元チームメイトであるソトがメッツでも近いうちに本来の調子を取り戻すと信じていると述べました。
ソトが『ニューヨーク・ポスト』に語ったコメントは火曜日、多くの議論を呼びました。前日、メッツの外野手ソトは、ジャッジが打順にいないことで投手が彼に対してより慎重になっていると説明しました。
「確実に違いはあります」とソトはマイク・プーマ記者に語りました。
「昨年は“野球界最高の打者”が後ろに控えていたので、より攻められ、ストライクゾーンに来る球も多く、意図的な四球も少なかった。今は違う投げ方をされています。」
昨季、ソトとジャッジの破壊力あるコンビは、ヤンキースを2009年以来のワールドシリーズへと導きました。これは、ルースとゲーリッグ(1927年、1930年、1931年)、マリスとマントル(1961年)に続く、**ヤンキース史上3組目の「40本塁打コンビ」**として記録されています。
現在メッツで単独で戦うソトは、投手陣の警戒が強まる中での打席対応に試行錯誤しているようですが、ジャッジはそんな彼の能力に疑いを持っていません。
しかし、あの“夢のコンビ”はわずか1シーズンで終わりました。ソトは自身最多の41本塁打を放った活躍を契機に、メッツと15年総額7億6,500万ドル(約1,170億円)という超大型契約を締結。一方で、ヤンキースも16年で7億6,000万ドルの契約を提示したとされ、最終的に“次点”にとどまりました。
ソトは「自分勝手になろうとは思っていない」と語り、相手が勝負を避けるならば四球を受け入れる覚悟もあると話しています。
「攻めてこないなら四球でも構わない。それが今の自分の役割だと思っています。」
実際、火曜日の試合を前にしてソトは16試合で14四球を選んでおり、打率.250/出塁率.400/長打率.429というスラッシュラインを記録。二塁打4本、本塁打2本、6打点と、まだ爆発的な打撃とは言えないものの、出塁率の高さからも“勝負を避けられている”現実がうかがえます。
ソトは月曜のミネソタ戦で今季3号となる本塁打を放ちましたが、それは開幕第2戦以来の一発でした。Statcastによると、昨年のソトが見たストライクゾーン内の投球割合は46.5%でしたが、今季メッツでは43.2%と減少。これはキャリアワーストの数字となる可能性もあります。
この「保護されていない」現状に対し、ヤンキースのアーロン・ジャッジは深入りを避けながらも、ソトの新たな“後ろ盾”であるピート・アロンソに言及し、以下のようにコメントしました。
「彼の後ろには、今最も優れた打者の一人がいるよ。アロンソの活躍は本当に楽しい。」
アロンソは火曜日時点で19打点を記録し、MLB全体で3位(1位:ウィルマー・フローレス、2位:ジャッジ自身)。打率.345と好調で、ソトへの“保護役”として十分な実績を残しています。
また、ジャッジは昨季4月に.207/.340/.414という不振に陥りながらも最終的にはMVPを受賞した経験を引き合いに出し、ソトにこうエールを送りました。
「僕の昨年4月を見れば分かるけど、ただ自分らしくいればいい。彼なら必ず結果はついてくる。」
この発言は、同じ“超一流スラッガー”同士だからこその励ましであり、ソトにとっても心強い後押しとなったことでしょう。
これまでの活躍により、ソト不在のヤンキース打線も十分に機能しています。火曜日時点でア・リーグ最多の99得点を記録しており、MLB全体でもカブス(120点)に次ぐ2位につけています。
アーロン・ジャッジは、ソトの穴を埋めるために貢献している選手たちとして、ベン・ライス、アンソニー・ボルピー、ジャズ・チザムJr.、コディ・ベリンジャー、ポール・ゴールドシュミットといった名前を挙げました。
「ソトのような選手は代わりがきかない。彼は唯一無二の存在なんだ」とジャッジ。「だからこそ、あの契約を勝ち取ったし、全30球団が欲しがったんだろう。でもだからこそ、今季は若手たちにとって自分の力を示すチャンスでもある。チームを背負うような活躍が求められるんだ。」
そして、ジャッジとソトが再び直接対決を迎えるのは約1か月後の「サブウェイ・シリーズ」。5月16日~18日にヤンキー・スタジアムでメッツ vs ヤンキースの3連戦が行われます。
球界屈指のスター同士が、今度はライバルとして対峙するこのシリーズは、大きな注目を集めること間違いありません。
ブライアン・ホック:MLB.comヤンキース担当
引用元:mlb.com