ボストン発 — 木曜日に行われるレッドソックスとのシリーズ最終戦を前に、マリナーズのダン・ウィルソン監督は、陽光が差し込むフェンウェイ・パークのビジター用ダグアウトで、チームの攻撃面でのアイデンティティについて語った。
シーズン24試合を消化した時点で、シアトルはメジャー全体で7番目に多い34本塁打を記録していた。シンシナティ、トロント、そしてボストンでの最初の2試合を通して、8人の選手が1本以上の本塁打を放っている。
本塁打はマリナーズの最近の成功の大きな要素ではあるが、それがすべてというわけではない。
「トロントでもシンシナティでもホームランが出たし、昨夜の試合のようにここでは出塁がしっかりできている」とウィルソン監督は試合前に語った。「僕たちは1打席1打席をしぶとく戦っていくつもりだし、試合を通して相手にとって厄介な打線であり続ける。これが僕たちのアイデンティティなんだ。」
2024年オールスターにも選出されたボストンのエース、ギャレット・クロシェを相手に、シリーズ最終戦でのマリナーズ打線は厳しい戦いを強いられることが予想された。クロシェットは今季初登板から5試合でわずか4失点という好成績を誇っていたからだ。
しかし、マリナーズはこの挑戦を真正面から受け止めた。
シアトルは初回に29球を投げさせ、クロシェから2点を奪取。最終的に4-3で勝利を収め、長期遠征を3カード連続のシリーズ勝ち越しで締めくくった。フェンウェイ・パークでのシリーズ勝ち越しは2014年以来、実に10年ぶりとなる。
ア・リーグ週間最優秀選手に選ばれたディラン・ムーアが先頭打者としてシングルヒットを放ち、いきなりチャンスを演出。クロシェットは続く打者2人を連続三振に仕留めたものの、ムーアのシングルは6球目の結果で、マリナーズにとってこの試合で6球以上粘った打席の最初の一例となった。この日、マリナーズは合計12打席で6球以上を投げさせる粘りを見せた。
ランディ・アロサレーナは、カウント0-2と追い込まれながらも粘りを見せ、9球目で四球を勝ち取った。これがこの試合でマリナーズにとって最初の四球であり、チームはこの後合計8四球を獲得。アロサレーナはこれで出塁試合数を自己最多の「21」に更新した。アロサレーナとディラン・ムーアは、ミッチ・ガーバーの適時二塁打でホームインした。
続く2回にもシアトルはクロシェから2点を追加。犠牲フライと内野ゴロの間に得点を挙げた。前日の試合で今季初本塁打を放ったJ.P.クロフォードは、この回に9球粘った末にシングルヒット。これは今季クロシェットが左打者に許した初の被安打となった。
「うちの選手たちは、彼(クロシェ)にしっかり仕事をさせていた。まさに彼らのスタイルだよ」とウィルソン監督は語った。「彼らは我慢強く球を見極めるが、自分の球が来れば積極的にスイングする。クロシェは序盤はストライクゾーンを外すことが多くて、走者をためてしまった。そうなると当然プレッシャーもかかってくる。でもうちの選手たちは、それでも粘って、自分たちの打席を貫き、必要なところでしっかりと一打を放ってリードを守り切ってくれたよ。」
2試合連続で、マリナーズの下位打線がレッドソックスにプレッシャーをかけた。この日は下位打線で5安打・2得点を記録。そのうち2本のヒットは8番レオ・リバスによるもので、彼は8回の守備でも風に助けられたとはいえ、信じられないようなスーパープレーでイニングを締めくくった。
「彼らは非常に我慢強いね」とウィルソン監督は語った。「リバス、ウィリアムソン、J.P.の打席を見ていても、みんな自分のゾーンに来るのをしっかり待っている。そして2ストライクに追い込まれても、そこで終わらずに粘り強くカウントを作り直している。それが本当に大きい。下位打線がそうやって打席を重ね、投手に球数を投げさせてくれると、打線全体がぐっと厚みを増すからね。」
フェンウェイ・パークではロースコアの試合は珍しい。実際、このシリーズの最初の2試合では両チーム合わせて24点が記録されていた。しかし木曜日の試合では、シアトルにとって4得点で十分だった。それを支えたのは、ブライアン・ウーの好投と、リードを守り切ったブルペン陣の粘りだった。
ウーは試合の立ち上がり、3球でジャレン・デュランを三振に仕留めてスタート。これが自身にとってこの試合最初の三振であり、最終的には今季最多となる8奪三振をマークした。木曜日の登板は、ウーにとってフェンウェイ・パークでの初先発であり、レッドソックスと対戦するのも初めてだった。
レッドソックス打線でウーと過去に対戦経験があったのは、ジャイアンツ時代のブレイク・セイボルと、ヒューストン時代のアレックス・ブレグマンの2人のみ。ブレグマンは初回にソロ本塁打を放ち、これがウーに記録された2失点のうちの1点となったが、ウーはその後も落ち着いた投球を続け、6回を投げきった。
「序盤で主導権を握って相手に呼吸させなかったし、あとはうちの投手陣がそのリードを守り切ってくれた。遠征を締めくくるには最高の形だったよ」とウィルソン監督は振り返った。
モリー・バークハート:MLB.comコンテンツプロデューサー
引用元:mlb.com