ロサンゼルス — ドジャースの上位打線はほぼ固定されているが、今季序盤はMVP経験者の豪華トリオがそろって出場する機会があまりなかった。
大谷翔平は開幕からすべての試合で1番打者として出場しているが、月曜夜のロッキーズ戦(5対3でドジャース勝利)は、ムーキー・ベッツ、フレディ・フリーマンと共にスタメンに名を連ねたわずか5試合目だった。
とはいえ、この試合でも完全な陣容とはならず、テオスカー・ヘルナンデスが体調不良(胃の不調)で欠場。ただ、大谷とベッツが本塁打を放ち、先発ダスティン・メイは6回1失点の好投で約2年ぶりの白星を挙げるなど、ドジャースは地区ライバルを相手に試合を終始コントロールした形となった。
月曜のシリーズ初戦を迎えるにあたり、コロラド・ロッキーズはサンディエゴでの3連戦でスイープ(3連敗)を喫し、しかも3試合連続無得点。スコアレス状態は球団史上最長となる32イニングにまで及んでいた。
一方のロサンゼルス・ドジャースも攻撃面でスランプに陥っていた。直前のカブスとの3連戦では合計20対5と大差をつけられ、これで3シリーズ連続の負け越しとなっていた。
ロサンゼルスは直近9試合のうち6試合で敗れており、その期間中、デーブ・ロバーツ監督は打線が本来の姿を失っていると感じていた。だが、月曜の試合でようやく復調の兆しが見えたと語った。
「今夜は良かったね」とロバーツ監督。「イニングを作って、相手にプレッシャーをかけた。四球も選べたし、走者を出し続けた。先発投手をしっかり攻略できたと思う。攻撃面では非常に安定していたし、ようやく“自分たちらしさ”を取り戻しつつあると感じたよ。」
復調を目指すドジャース打線にとって、ロッキーズ先発のアントニオ・センザテラはまさに格好の相手だった。シーズン最初の3先発で、対戦打者に打率.415、出塁率.441、長打率.585を許していたセンザテラは、月曜の試合でも序盤から苦しんだ。
初回、ドジャースはさっそく主導権を握る。大谷翔平が先頭打者としてセンター前ヒットを放つと、続くムーキー・ベッツが左中間へ2ラン本塁打を放ち、いきなり2-0とリード。さらにフレディ・フリーマンもヒットを放ち、上位打線の3人がチームに勢いをもたらした。
この日、大谷、ベッツ、フリーマンの“MVPトリオ”はいずれも3度出塁し、試合を通じて打線全体のリズムを作った。
「翔平が2ストライクからヒットを打って、ムーキーが本塁打で試合を動かしてくれた。フレディもいい打席を重ねてくれてね」とデーブ・ロバーツ監督は試合後に語った。「あの3人は常にオールスター級の実力者だし、彼らが本来の力を発揮してくれるのは本当に助かるよ」。
この日のドジャース打線は、やはり上位に大きく依存した形となった。大谷翔平とムーキー・ベッツで計3打点、そしてチームが挙げた5得点すべてをこの2人が記録。残る2打点はウィル・スミスが挙げたもので、ドジャースのシーズン最多となる10安打のうち9本が1番から4番までの打順から生まれた。一方で、5番から9番の下位打線は15打数1安打と沈黙した。
ベッツとフリーマンは、開幕の東京シリーズをともに欠場した。ベッツは体調不良により約8ポンド(約3.6キロ)の体重を落とし、フリーマンは左脇腹の違和感が理由だった。その後、チームが本拠地に戻ってからもベッツはさらに1試合を休み、体力の回復に努めた。一方、フリーマンはホーム開幕シリーズ後に右足首(手術歴あり)を再び痛め、10日間の故障者リスト入りを余儀なくされた。
フリーマンは最短期間で復帰したが、その離脱期間と重なるようにして、ドジャース打線の不調が始まった。フリーマンの代役として一塁を守ったキケ・ヘルナンデスは守備では安定感を見せたものの、打撃面では31打数3安打と苦しんだ(ただし3本すべてが本塁打だった)。
大谷翔平、ムーキー・ベッツ、フレディ・フリーマンの3人が揃ってラインナップに名を連ねるとき、ドジャースには自然と「彼らがチームに火をつけてくれる」という期待感が生まれる。しかし、勝利の鍵を握っているのはこの上位3人だけではない。打線全体、1番から9番までが「自分たちの本来の力」を理解しており、それを信じている。
ここ最近の不調でも、ドジャースは焦ることなく冷静さを保ってきた。シーズンはまだ144試合も残っており、序盤のつまずきで気持ちを乱していては乗り越えられないことを彼らはよく知っている。
「シーズンは長い。頑張ろう、頑張ろうって力むほど、逆にうまくいかなくなるんだ」とベッツは語る。「無理に追いかけようとすると、どんどん遠ざかっていく。でも、ただいつも通りにゲームを楽しんでいれば、自然といいことは起きるんだ。」
ソニア・チェン:MLB.comドジャース担当
引用元:mlb.com