主力選手の負傷離脱による影響を感じさせずパドレスが開幕19試合で最多勝利記録に並ぶ

サンディエゴ発――火曜日の夜、パドレスの球団記録となる本拠地連勝がついに途切れました。しかし水曜日の午後には、すでに新たな連勝が始まっていました。

パドレスは水曜日、カブスとのシリーズ最終戦に4対2で勝利し、今季ペトコ・パークでの成績を12勝1敗、シーズン全体で15勝4敗としました。これはメジャー全体で最高の成績であり、球団史上でも1998年にナ・リーグ優勝を果たしたチームに並ぶ、開幕19試合での最多勝利記録に並んでいます。

これだけを見ると、シーズン開幕から順調そのものに見えるかもしれません。しかし、サンディエゴのシーズンは必ずしも“順風満帆”というわけではありませんでした。


パドレスの理想的な26人ロースターのうち、4分の1以上が現在故障者リストに入っています。過去8日間だけでも、ジャクソン・メリル、ジェイク・クロネンワース、そして直近ではメリルの代わりに中堅を守っていたブランドン・ロックリッジと、3人の主力選手が新たに故障者リスト入りしました。

それでも、チームは勝ち続けています。

「チーム全体の一体感があるんだ」とフェルナンド・タティスJr.は語ります。「みんながお互いから刺激を受けてるんだよ」。


水曜日の試合では、タイラー・ウェイドが攻撃の起点となり、2安打と2つの重要な四球で計4度出塁しました。

一見すると、ウェイドは“意外なヒーロー”でした。彼は先週金曜日にクロネンワースが故障するまで、40人枠にすら入っていませんでした。ロックリッジの故障まではスタメンでもなく、しかもこの日先発のカブスの左腕マット・ボイドとの対戦を考慮して、出場は予定されていませんでした。

しかし、ある意味ではウェイドの貢献は驚きではありませんでした。これこそが、2025年のパドレスが築いてきたチームカラーなのです。彼らはこれまで、必要なときに、必要な場所で、常に誰かが大事な一打やプレーを見せてきました。その中でもウェイドは、まさに“スパークプラグ”のような万能選手として、欠かせない存在となっています。


「チームの層の厚さを物語っているね。そして、チームのメンタリティをも表している。野球のシーズンは一直線にはいかない……重要なのは、そのズレをどう乗り越えるかだよ」とパドレスのマイク・シルト監督は語りました。

実際、パドレスはその“ズレ”を見事に乗り越えてきました。ウェイドの水曜日の活躍は、その最たる例と言えるでしょう。

開幕直前、ウェイドはロースター最終選考で外され、DFA(メジャー登録から外され、他球団からの獲得を待つ状態)となりました。ウェイバーを通過した後、トリプルAエルパソへの降格が決まりました。

メジャーで5年以上のサービスタイムを持つウェイドは、本来ならマイナー降格を拒否して他球団との契約を模索する権利がありました。しかし、彼はそうしなかったのです。

「いつかまた戻って来るって信じてたんだ」とウェイドは語ります。「それが思ったよりも早かったけどね。戻って来られてうれしい。このチームは、僕にとって家族なんだ。」


ウェイドは「戻ってこられたことがどれほど嬉しいか」をはっきりと伝えたかったようで、登場曲をエミネムの「Square Dance」に変更しました。曲の冒頭には、まさにその想いを代弁するようなセリフが響きます──「It feels so good to be back(戻ってこられて最高の気分だ)」

そして、その気持ちはチーム全体に共有されているようです。

「我々──私自身も、コーチ陣も、フロントオフィスも──タイラーを組織に残すことができて、本当に、本当に、嬉しかった」とシルト監督は語りました。「その判断にはリスクがあったし、決して簡単な決断ではなかった。でも我々は、彼がどんな選手かをよく知っている。彼がもたらすものも、よく分かっている。」

さらに、先発右腕ニック・ピベッタも好調を維持。パドレスでのホーム初年度は特に素晴らしく、ペトコ・パークでの3試合では防御率0.45という圧巻の成績を残しています。


水曜日の登板でピベッタは、ホームゲームで今季初めて失点を喫しました──とはいえ、それは1点のみ。6回を投げて被安打4、奪三振6という内容で、安定した投球を披露しました。

「ファストボールをしっかりコマンドできてるし、必要な場面でスピン系のボールも有効に使えてる」とピベッタ。「カウントを先行させることもできてるしね。見ての通り、カウントを悪くして四球を出したところで1点取られたけど、それ以上のダメージは防げた。あとはうちの打線が戻ってきて、試合の主役になってくれたよ。」

実際、パドレスは3回表に先制を許しましたが、その裏すぐに2点を奪い返して応戦。さらに7回と8回には貴重な追加点を加えました。9番に入ったウェイドは、両イニングとも四球で出塁し、得点のきっかけを作りました。

「自分の役割はとにかく一塁に出ること。四球でもバントでも何でもいいからね」とウェイド。「上位打線の“ビッグボーイズ”たちにつなげることが大事なんだ。」

その貢献が、またしてもシリーズ勝ち越しにつながりました。月曜日にはホーム開幕から11連勝を記録し、これは球団史上最長、1900年以降のMLBでも歴代4位タイとなる快挙でした。

その連勝は火曜日に止まりましたが、パドレスはいつも通りすぐに立て直してみせました。

「すべての面でよく戦えた試合だった」とシルト監督。「いいシリーズだったし、最高のホームスタンドになったね。」

AJ・カサヴェル:MLB.comパドレス担当
引用元:mlb.com

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