サンディエゴ発 — 今季のペトコ・パークでのパドレスは、ただ勝っているだけではない。圧倒的に勝っている。ホーム11試合を終えての得失点差は47点。試合中の全イニングのうち75%でリードを保っている。まさに「支配」そのものだ。
だからこそ、月曜夜の試合序盤は少し奇妙に感じられた。接戦のサンディエゴ? 終盤までビハインド?
……それでもパドレスは勝った。しかもやはり圧倒的に。
フェルナンド・タティスJr.が2本塁打を放ち、サンディエゴはカブス相手に10対4で逆転勝利。これで今季ホーム11連勝となり、球団史上最長記録を大きく更新。メジャー全体でも1900年以降で4位タイのスタートとなった(歴代1位は2023年レイズの14連勝)。
「我々のプレーが観客を盛り上げているのか、観客が我々のプレーを後押ししているのか…どちらとも言えるね」とパドレスのマイク・シルト監督は語った。
「月曜の夜にこの満員のスタジアムの熱気…本当に大きな意味がある。」
この日のパドレスは、いつものような序盤からの猛攻ではなく、終盤に“花火”を打ち上げた。
6回に2得点、7回に3得点、そして締めくくりは8回の4得点。この回にはフェルナンド・タティスJr.とルイス・アラエスが連続ホームランを放ち、スタジアムの熱気は最高潮に達した。
ペトコ・パーク史上3番目となる47,078人の大観衆が最高潮に達したのは、ルイス・アラエスが今季2本目の本塁打を放った瞬間だった。アラエスは打球の行方を見届け、一塁を回る頃になってようやくバットを華麗にフリップ。パドレスはこの一打で完全に試合を掌握し、今季メジャー最多となる14勝目(そのうち11勝が本拠地ペトコ・パーク)へと突き進んだ。
先発のディラン・シースは、球場の雰囲気についてこう語った。
「特別だよ。本当にその雰囲気に助けられてる。ほぼ毎試合が完売だし、ファンもすごく盛り上がってる。僕たちも同じ気持ちさ。これ以上の雰囲気なんて、なかなかないと思うよ」
本拠地での連勝は続いているが、パドレスの連続無失点イニングはついに37回でストップ。
4回にシースがマイケル・ブッシュに2ランホームランを浴び、7月から8月にかけての1984年の球団記録(40イニング)にはあと3イニング届かなかった。
シースは前回のアスレチックス戦での不調から立ち直りを見せたが、本来の圧倒的なピッチングとはいかず、5回2/3を投げて3失点(自責2)。降板時点ではパドレスが2点ビハインドだったが、逆転にはそう時間はかからなかった。
6回裏、マニー・マチャドが11球粘って四球を勝ち取り、カブス先発タイオンをマウンドから引きずり降ろすと、そこからシカゴのブルペンに対して猛攻が始まった。
「しんどかったね」とマチャド。「5球連続でフルカウントのファウルを打ち続けて、なんとか出塁しようとしてたんだ。それがチームにとって良い流れになったと思うよ」
その言葉通り、直後にホセ・イグレシアスとジェイソン・ヘイワードの内野安打で同点に追いつき、パドレスの反撃が本格化した。
その1イニング後、カブスは一塁が空いている状況でマチャドを敬遠。打席には、最近すっかり地元ファンの心をつかんだギャビン・シーツが入った。
観客席からは「ホーリー・シーツ!(Ho-ly Sheets!)」というチャントが響き渡る中、ネイト・ピアソンのワイルドピッチでタティスがホームインして勝ち越し。さらにシーツがライナーで2点タイムリーを放ち、スタンドの熱気は最高潮に達した。
ペトコ・パークはまさに“沸騰状態”となった。
「ファンの声援は本当に大きい」とタティスは語った。「僕らのエネルギー源だよ。」
そのタティスは7回にこの日2本目となるホームランを放ち、これで今季メジャー最多タイの6本塁打に並んだ。2本とも打球速度は108マイル、111マイルというレーザービームのような弾道で、左翼席の1階部分に突き刺さった。
「まさに“ヴィンテージ・タティ”だったね」とマチャドも称賛。
ただしその直後、バットフリップの派手さではアラエスの方が上だったと指摘されると、タティスは笑いながらこう語った。
「ライナー性の打球だとバット投げる暇ないからね。でもアラエスのはすごかった。高く上がってたし、時間があった。」
そしてその瞬間、ペトコ・パーク恒例の“ナイトパーティー”が始まった。何しろパドレスのブルペンは今季、まだ一度もリードを守り損ねていないのだから。
電光石火の攻撃、安定感ある守備、クオリティある先発投球、そして盤石のブルペン。
「毎晩、彼らはベストを尽くしている。とにかくハングリーなんだ」とシルト監督も誇らしげに語った。
AJ・カッサヴェル:MLB.comパドレス担当
引用元:mlb.com