開幕から約1週間半が経過しました。好スタートを切ったチームもあれば、まったく逆のスタートを切ったチームもあり、まだ本格的な結論を出すには少し早い時期です。ただ、それでも現時点の勢力図をざっと見てみるのは面白いでしょう。というわけで、レギュラーシーズン最初のパワーランキングを発表します。
このランキングは、毎回通りMLB.comの複数の寄稿者によってまとめられたもので、この記事の末尾にその名前が記載されています。ただし、文章自体は私の担当です。ランキングそのものに不満があれば、私たち全員に文句を言ってください。でも、文面が気に入らなければ、私に言ってくれればいいです。
1位:ドジャース(前回順位:1位)
シーズン開幕からの無敗スタートで、「117勝いけるんじゃないか」という声も飛び交いましたが…正直、その話題はそろそろやめておきましょう。ドジャースが本当に大事にすべきなのは、10月までにチーム全体が健康な状態を保つことです。フレディ・フリーマンが「シャワーでのちょっとした事故」でIL入りしたのも、それほど深刻には捉えられていません。もしこれが10月だったら、彼はきっと普通に出場して、またグランドスラムでも打っていたことでしょうから。
2位:フィリーズ(前回順位:2位)
ブライス・ハーパーはチームとは対照的に、2025年シーズンの打撃面でのスタートはややスローペースでした。ただ、コメントのキレ味はいつも通り健在でした。今季もさっそくこんな名言を放っています:
「ドジャースがやってることに文句を言うのは…たぶんみんな気に入らないだろうけど、負け犬だけだと思う。」
――さすがはブライス、言うことが違います。
3位:ヤンキース(前回順位:8位)
シーズン序盤、ヤンキース打線はとにかく絶好調。「新バット(“トルピード”バット)の効果だ!」なんて声もありますが、それだけでは説明できない予兆もありました。アーロン・ジャッジは言うまでもなく別格(しかも彼はそのトルピードを使っていません)ですが、アンソニー・ボルピーのブレイクは時間の問題と見られていました。
――今年、ボルピーはオールスターに選ばれるかもしれませんね。
4位:パドレス(前回順位:9位)
ドジャースと同様に、パドレスもついには敗戦を喫しましたが、注目すべきはジャクソン・メリルの大活躍です。開幕から8試合連続安打を記録し、打率.429/出塁率.452/長打率.714、そして本塁打2本。さらに、華々しい9年・1億3500万ドルの契約延長まで決めており、まさにMVP級の滑り出しです。
5位:レンジャーズ(前回順位:10位)
レンジャーズの戦いぶりは非常に明快。今季は相手を3点以下に抑えた試合で6勝0敗、逆に4点以上を許した2試合はともに敗戦しています。攻撃面ではコーリー・シーガー、マーカス・セミエン、ジェイク・バーガー、ジョク・ピーダーソンら主力がややスロースタート気味なのも影響しているかもしれません。
6位:カブス(前回順位:13位)
マシュー・ボイドは4年連続でチームを変えてきたベテラン左腕(これまで所属したのはマリナーズ、タイガース、ガーディアンズ)。しかしシカゴでは非常に快適そうです。カブスでの最初の11イニングはすべて無失点。2年2900万ドルの契約は、近い将来“掘り出し物”と称されるかもしれません。
7位:ダイヤモンドバックス(前回順位:6位)
ケテル・マルテはこれまでに2度ハムストリングの故障でIL入りしており、今回3度目の離脱となったことで、球団関係者やファンの不安も高まっています。金曜の試合で長打を放った際に二塁へ向かう途中で足を痛め、その2日前には6年1億1650万ドルの契約延長を結んだばかり。まさに“タイミングが悪い”出来事となりました。
8位:ジャイアンツ(前回順位:21位)
ジャイアンツは今季序盤の嬉しいサプライズの一つ。ウィルマー・フローレスの予想外のパワーなど打線の好調ぶりもありますが、最大のポイントは堅守でしょう。開幕から唯一エラーなしで試合を続けていたチームでしたが、金曜のマリナーズ戦でようやく今季初エラー。それでも劇的なサヨナラ勝ちで勢いは止まっていません。
9位:メッツ(前回順位:9位)
ピート・アロンソがこのオフシーズンにメッツを離れるかもしれなかったというのは、今や信じがたい話。実際、かなり現実的な可能性として語られていました。しかし、ここ数日で本塁打量産モードに突入。これでメッツ球団最多本塁打記録保持者のダリル・ストロベリーまであと23本。このペースなら5月1日までに到達してもおかしくない勢いです。
10位:レッドソックス(前回順位:7位)
アレックス・ブレグマンがフェンウェイ・パークでいかに打ってきたかは契約前から話題になっていましたが、その期待を裏切らない“新天地デビュー”に。レッドソックスのユニフォームを着て本拠地初出場となった金曜日の試合で2安打を放ち、フェンウェイ通算OPSは1.245に到達。これは通算70打席以上の現役選手では最高の数字です。
11位:オリオールズ(前回順位:5位)
開幕戦のガナー・ヘンダーソンの打撃成績を見ただけでは、特に目立たない内容だったかもしれません(4打数1安打、三振1)。ですが、実際にはインプレーにした3球すべてが時速104マイル以上の打球速度。つまり、「打球の質」はすでにガンナーらしさ全開で、内容的には開幕からしっかり仕上がっていることを示しています。
12位:ブルージェイズ(前回順位:20位)
今季、最も「悪いスタートを避けるべきだった球団」がブルージェイズかもしれません。4連勝で波に乗ったかと思いきや、その後メッツに3連敗して再び暗雲が…。ブラディミール・ゲレーロJr.とアンソニー・サンタンデールの本塁打が未だゼロなのも気がかり。二人のバットが火を噴くのを、チームもファンも待ち望んでいます。
13位:タイガース(前回順位:14位)
シーズン終盤の快進撃、ポストシーズン進出、そして着実なチームの成長——それがもたらす勢いの大きさは計り知れません。ホーム開幕戦では44,735人の観客がコメリカ・パークを埋め尽くし、ホワイトソックスとの7-4の勝利に場内は大盛り上がり。長年「眠れる巨人」と言われてきたタイガース、いよいよ目を覚ましたかもしれません。
14位:レイズ(前回順位:23位)
今季はフロリダの雨対策の一環として、レイズは開幕から22試合のうち21試合をホーム開催するという珍しいスケジュールに。唯一の敵地でのカードがこの週末のレンジャーズ戦。とはいえ、来年からは心配無用。セントピーターズバーグ郡がトロピカーナ・フィールドの新しい屋根に2,250万ドルを拠出することを承認し、来年には完成予定です。
5位:ロイヤルズ(前回:15位)
ロイヤルズは常に攻撃の起爆剤を求めており、その中で若手の台頭に期待を寄せています。マイケル・ガルシアはその候補かもしれません。開幕から5試合連続で長打を記録し、最初の7試合で打率.381/出塁率.435/長打率.810という好成績をマーク。ついに覚醒の兆しか?
16位:ガーディアンズ(前回:16位)
ようやくガーディアンズにもホーム開幕戦がやってきます。火曜日のホワイトソックス戦が今季最初のホームゲーム。これは今季メジャー最後の本拠地開幕戦でもあり、ファンにとっては待ちに待った一日になりそうです。プログレッシブ・フィールドも改修を経てリニューアルされ、期待感も高まっています。
17位:アストロズ(前回:11位)
カム・スミスのメジャー起用は話題になりましたが、開幕から18打数2安打と厳しい船出。まだダブルA以上でわずか5試合しか出場経験がない20歳にとって、メジャーの壁はやはり高いようです。とはいえ守備面では安定感を見せており、球団は引き続き辛抱強く起用を続ける姿勢を示しています。
18位:ブリュワーズ(前回:12位)
開幕4連敗で「今年も厳しいか…」と心配されたブルワーズですが、そこから見事4連勝で立て直しました。これはメジャー史上13度目の“開幕4連敗後の4連勝”。ちなみに最後にこれを達成したのは2021年のブレーブス。そう、その年にワールドシリーズを制したチームです——さてブルワーズはどうなる?
19位:ブレーブス(前回:3位)
開幕からの成績はまさに悪夢のようなスタート。敗戦が続き、新加入のジュリクソン・プロファーが出場停止になるなどトラブルも。しかし明るい材料もあります。ロナルド・アクーニャJr.の復帰はそう遠くなく、スペンサー・ストライダーもリハビリ登板で好調。木曜日のトリプルAでの登板が、復帰前最後になる可能性もあります。
20位:カージナルス(前回:24位)
若手注目株はジョーダン・ウォーカーやノーラン・ゴーマンだけではありません。捕手イバン・ヘレラが台頭中。先週のエンゼルス戦では球団捕手史上初の3本塁打試合を記録し、チームの多くの打撃部門でトップに。…ただし、その後膝の炎症で日曜のダブルヘッダー初戦を途中退場。朗報と不安が入り混じる状況です。
21位:エンゼルス(前回:27位)
今季ここまでのエンゼルスの“最強打者”はマイク・トラウトではなく、無名の23歳ユーティリティー選手カイレン・パリス。あのアーロン・ジャッジの打撃コーチと一緒にトレーニングしていたとか。ワシントン監督も「成熟していて、どんな場面でも動じない」と絶賛。
22位:マリナーズ(前回:17位)
今週話題をさらったのは、ルイス・カスティーヨが2人ローテーションにいたという奇跡のような出来事。おなじみのカスティーヨは「ずっとインスタでタグ付けされてたよ(笑)」とコメント。実際に会ったのは今回が初めてだったそうです。ちなみに、昔の「ボビー・ジョーンズが2人」という例でも、2人は別チームでプレーしてました。
23位:アスレチックス(前回:22位)
今季の“スリーパー候補”と見られていたものの、まだ本領発揮とはいかず。ただし本塁打数は伸びている点は明るい要素。ローレンス・バトラーも開幕から不調が続いていたものの、土曜のロッキーズ戦で3安打、翌日は2安打+1本塁打+2打点と復調気配。
24位:ツインズ(前回:18位)
古巣アストロズとの対戦でも、カルロス・コレアはトンネルから抜け出せず…。週末のシリーズを通して苦しみ、今季ここまで32打数4安打(打率.125)と深刻なスランプ中。
25位:レッズ(前回:19位)
点が取れない展開が続くのは精神的に堪えます。レッズは今週、35イニング連続無得点という苦しい時間を過ごしました。こういった状況がシーズン序盤に起きると、なおさら深刻に感じられるものです。
26位:マーリンズ(前回:28位)
MLB.comのクリスティーナ・デ・ニコラ記者による今週の微笑ましい話題:マーリンズの捕手コーチ、ジョー・シングリーと左腕リリーフのアンソニー・ヴェネツィアーノは、実は大学時代のルームメイト(コースタル・カロライナ大)。二人とも27歳で、片やコーチ、片や現役選手という珍しい関係です。
27位:パイレーツ(前回:26位)
打撃力の弱いチームでありながら、機動力野球で得点を狙う姿勢は称賛に値します。パイレーツは今季、MLB最多の盗塁数を記録中。昨年はリーグ16位タイだったにもかかわらず、すでに昨季の4分の1以上の盗塁数を記録しています。
28位:ナショナルズ(前回:25位)
若手野手への期待が高まる中、忘れてはならないのは2019年の世界一以降の苦境。ナショナルズは2020年以降、MLBで2番目に勝率が低いチームで、通算成績は291勝426敗(勝率約.406)。復活への道のりはまだ遠いかもしれません。
29位:ホワイトソックス(前回:30位)
本当の“愛”とは何か?
大雨で3時間20分の中断があっても、昨年MLB史上最多敗戦を喫したチームの試合を最後まで見届ける。それが真の“愛”なのです。しかもその試合、6-1で敗戦したにもかかわらず…。
30位:ロッキーズ(前回:29位)
アントニオ・センザテラの成績が不思議すぎると話題に。MLB.comのトーマス・ハーディング記者によると、今季ここまでの2先発で被安打19、失点0(自責)という異例の内容。1913年に防御率が公式記録となって以来初の珍記録だとか。センザテラ本人の粘投もさることながら、ロッキーズの守備力の高さが際立つ結果です。
引用元:mlb.com