ニューヨーク — 千賀滉大がシティ・フィールドで三振を奪うたび、スコアボードには彼の名前が1990年代風のレインボーフォントで表示されます。これは、ビデオゲーム会社「セガ」のロゴにちなんでおり、「Senga(センガ)」の名前が「Sega(セガ)」に非常によく似ていることから生まれた演出です。
そして実際のところ、2025年シーズンの開幕から4試合における千賀の投球成績は、まるでテレビゲームのような数字を叩き出しています。
土曜日の午後、シティ・フィールドで行われたカージナルス戦では、千賀が5回2/3回を無失点に抑え、メッツは3-0で勝利。これによりセンガの今季防御率は0.79となり、ナショナル・リーグではトップ、メジャー全体でも元メッツのクリス・バシット(0.77)に次ぐ2位に位置しています。
4月1日の今季初登板では4失点(自責点2)を喫しましたが、それ以降は無失点を継続しており、現在18回2/3連続無失点中です。また、WHIP(1イニングあたりの被安打+与四球)は0.97で、メッツ先発陣の中では群を抜いて最も優れた数字となっています。
セントルイス戦での千賀は、フォーシームと“ゴーストフォーク”に大きく依存した投球を展開し、この2球種で全体の74%を占めました。三振は4つを記録し、すべて空振り三振、すべてがゴーストフォークによるものでした。被安打は3、与四球は2。
なお、フォーシームの平均球速は95マイル(約153キロ)で、今季平均をやや上回る数値を記録しました。
「今日は別の投手を見たようだった――特に球種の使い方の面で――前回のオークランド戦とは違っていた」と、カルロス・メンドーサ監督は語った。「今日はフォーシームが最大の武器だったと思う。ストライクゾーン内のフォーシームとスプリットの組み合わせが非常に効果的だった。」
その前回の試合では、千賀はカッターを多用し、フォーシームの使用率は29%にとどまっていました。しかし今回のセントルイス戦では、カッターはわずか8球しか投げていません。それでも、対戦相手がどれだけ対応しようとしても、千賀の登板で常に変わらないものが一つあります――それが、彼の凶悪な決め球「ゴーストフォーク」です。
「どのチームも、どの打者もフォークボールを狙ってきます」と千賀は通訳の藤原寛氏を通じて語りました。それでもその球が効く以上、彼と捕手のルイス・トーレンスは迷わず使い続けました。「トーレンスが素晴らしいリードをしてくれたので、それに少し応えることができたと思います。」
この日の登板も決して平坦ではありませんでした。カージナルス打線は2回、5回、6回に得点圏に走者を進めましたが、千賀はすべて切り抜けました。特に5回には、内野を下げて守っていたブレット・ベイティがトーマス・サゲッセを本塁で刺す好プレーを見せ、6回にはリード・ギャレットが登板してゴロでピンチを断ちました。
結局のところ、カージナルス打線を無失点に抑えたにもかかわらず、千賀は「また運が良かっただけです」と謙虚に語りました。
「自分の球で打ち取っているという感じはあまりしません。打者にコンタクトはされているし、守備陣が本当にいいプレーで助けてくれているおかげです……。まだ完全に仕上がっているとは思っていません。実際に手から離れていくボールと、自分のイメージしているボールの軌道には、まだ少しズレがあります。」
2024年シーズンをほとんど故障で棒に振ったため、千賀の2023年の素晴らしいルーキーイヤーを忘れている人もいるかもしれません。しかし、彼は12勝7敗、防御率2.98という見事な成績を残し、ナ・リーグ新人王投票で2位、サイ・ヤング賞でも7位にランクインしました。
2023年には9イニングあたり10.9奪三振を記録し、2桁奪三振を5度も達成するなど、圧倒的な投球を披露していました。今はそのフォームへの復帰を目指しているところです。
「自分の球速に慣れてきて、試合でも長いイニングを投げられるようになれば、身体も徐々に順応してくると思います。そして、その理想と実際のギャップも少しずつ埋まってくるはずです。だから、健康でいること、フィールドに立ち続けることが一番大切ですね」と千賀は語ります。
2024年のナ・リーグチャンピオンシップシリーズ(NLCS)では2試合続けて不本意な内容に終わり、オフに向けて悔しさが残ったかもしれません。しかし、今シーズンの序盤の好調を維持できれば、2025年のメッツにとって、2024年に欠けていた「真のエース」の役割を担う存在になる可能性は十分にあります。
「対戦相手にエースがいたとしても、千賀がマウンドに立つなら自信を持って戦える。そういう存在を求めているし、まさに彼がそれを体現している」とメンドーサ監督も絶賛しています。
引用元:mlb.com