ポートセントルーシー(フロリダ州)――「ゴーストフォーク」に代わる新たな球種、「ミラクルボール」が登場した。
千賀滉大は、メッツがカージナルスと3-3で引き分けたグレープフルーツリーグの試合で、新しい――といってもある意味では既存の――球種を披露した。右腕は、時速63.5マイル(約102.2キロ)のループするカーブを外角付近に投げ、ヨヘル・ポゾがバットを伸ばしてファウルにする場面があった。
この球は、千賀がアメリカで投げた球の中で2番目に遅い球速であり、昨年のレイズ戦で投じたカーブより0.3マイル速かった。この球について試合後に尋ねられたセンガは、通訳を通じてこう答えた。
「ミラクルボール。」
「特に考えはなかったです。ただ軽く投げたらストライクゾーンに入ったので……素晴らしいですね!」とセンガは語った。
この球を今後の持ち球として本格的に取り入れるかと聞かれると、「あれだけ遅いと、打たれたら後悔しそうなので、どうでしょうね」と答えた。
千賀の同胞であるダルビッシュ有は、時折イーファスピッチを投げることで知られており、最も遅い球では時速51マイル(約82km/h)を記録している。
千賀の持ち球は7種類に及ぶが、その中にはカーブも含まれており、全投球の約2%しか投げないものの、通常は時速70マイル台前半(約112km/h)で投げている。しかし、実際にはフォーシーム、カッター、そして代名詞であるゴーストフォークの3球種を主体としている。この春のキャンプでは、新たにシンカーの導入にも取り組んでいる。
千賀が「ミラクルボール」をゴーストフォークほど頻繁に投げることはないだろう。ゴーストフォークは2ストライク時の決め球として機能し、千賀がメジャーに来て以来、被打率.113という圧倒的な成績を誇っている。しかし、彼が今後もユニークな球種名を生み出す可能性はあるかもしれない。
千賀のチームメートであるタイラー・メギルは、2年前に独自のスプリッターを習得し、それを「アメリカン・スポーク」と名付けた。これは千賀のゴーストフォークにちなんだネーミングだった。
「ミラクルボール」という名前が自分で考えたものなのかと聞かれると、千賀は笑いながら「その話はやめておこう」と意味深に答えた。
アンソニー・ディコモ:MLB.comメッツ担当
引用元:mlb.com