菅野智幸 MLB初勝利の内容はオリオールズにとって必要不可欠

菅野智之 オリオールズ MLB

カンザスシティ — 菅野智之は、メジャー初登板となった前回の試合で両手のけいれんにより途中降板した。オリオールズのブランドン・ハイド監督は、その症状の原因を「緊張」によるものだと語っていた。35歳にして初めてのメジャー登板というプレッシャーが、体に出たのだろう。

しかし、土曜日の登板では、そうした緊張感はすっかり消えていた。

NPB(日本プロ野球)で最も実績のある投手の一人である菅野が、その実力をMLBでも存分に発揮。沢村賞を2度受賞している右腕は、ロイヤルズとの試合で5回1/3を投げ、1失点の好投でオリオールズの8対1の勝利に貢献した。

カウフマン・スタジアムで行われたこの試合で、菅野は5安打1四球3奪三振。3回と5回には得点圏に走者を背負うピンチもあったが、冷静に切り抜けた。


ロイヤルズは5回に無死一・二塁のチャンスを作ったが、菅野はそこからギアを上げ、次の3人を打ち取り無失点で切り抜けた。6種類の球種を巧みに使い分け、打者のタイミングを狂わせる投球が光った。

唯一の失点は6回、ボビー・ウィットJr.に浴びたソロホームランによるものだった。

日本で12年間の通算防御率2.45を誇った菅野は、この日もその多彩な投球術でメジャーの打者を翻弄。投球内容は以下の通り:

  • スプリッター:23球(26%)
  • スウィーパー:23球(26%)
  • カーブ:14球(16%)
  • カッター:13球(15%)
  • フォーシーム(直球):12球(13%)
  • シンカー:4球(4%)

このバリエーション豊かな配球が、ロイヤルズ打線を最後まで翻弄し続けた。


そして、この日の菅野の好投は、まさにチームにとって「必要不可欠」なものだった。

試合前、ハイド監督は「先発投手が試合を長く投げることの重要性」を強調しており、菅野の5回1/3は今季のオリオールズ先発陣の中で3番目に長い登板となった(最長はザック・エフリンの2度の6回登板)。チームは土曜日の試合前時点で、先発投手の防御率が6.10とMLBワースト2位(ワーストは7.59)という苦しい状況にあった。

そんな中、菅野はメジャー初勝利を記録。その勝利を後押ししたのは、打順の下位に座る打者たちだった。6番ゲイリー・サンチェス、7番ヘストン・カースタッド、8番ラモン・ウリアス、9番ジャクソン・ホリデイの4人で計6打点を挙げる活躍を見せた。

オリオールズはこれまでの5敗でわずか9得点だったが、土曜日の勝利を含む4勝では計37得点をマーク。今後は主力のガナー・ヘンダーソンがラインアップに復帰すれば、さらに安定した得点力が期待できる。だが、この日はそのヘンダーソン不在の中でも十分な攻撃力を示した。

ジャクソン・ストーン:MLB.com記者
引用元:mlb.com

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次