ボルチモア発――ワシントンとデトロイトでの苦しいロードトリップ(1勝5敗)を終えたオリオールズは、月曜日、本拠地に戻り、ここ最近の悪い流れを断ち切る必要がありました。激戦のアメリカン・リーグ東地区で首位に立つライバル、ヤンキースとの今季初対戦に向け、チームは誰かの奮起を求めていました。
そんな中、MLB初年度の最初の1か月間で安定した投球を続けてきた、35歳の日本人右腕・菅野智之が、この日もボルチモアに落ち着きをもたらしました。
菅野は5回を無失点に抑え、8つの三振を奪う好投で、オリオールズをシリーズ初戦の4-3の勝利に導きました。カムデン・ヤーズで行われたこの試合で、菅野にとってはメジャー6先発目にして初の無失点登板となり、防御率は3.00に低下。これはボルチモアの先発投手陣の中で最も優れた数字です。
打線ではラモン・ラウレアーノとライアン・オハーンが活躍。ラウレアーノは2回二死からタイムリーツーベースを放って先制点を挙げ、オハーンは3回に3ランホームランを放ちました。ボルチモアはこれまで7試合連続で3点以下に終わっていましたが、4点以上を記録したのは4月19日のレッズ戦(9-5で勝利)以来となりました。
菅野はこの日、多くの援護を必要としませんでした。これまでの5先発合計でわずか9奪三振だったのに対し、この試合だけで8奪三振を記録。さらにStatcastによると、今季自己最多となる17回の空振りを誘発し、これはオリオールズ投手陣として今季最多の数字でもありました。
ここまでアメリカでのルーキーシーズンを堅実に過ごしてきた菅野ですが、これまで彼の武器の一つであるスプリッター(フォーク)は他の5球種に比べるとやや精彩を欠いていました。しかしこの試合では、そのスプリッターが最大の武器となり、ヤンキース打線は12スイング中9回も空振りを喫しました。
菅野の8奪三振のうち、7つが空振り三振で、そのうち6つはスプリッターで仕留めたものでした。
そんな菅野の完璧な立ち上がりを締めくくったのは、やはりこの男、セドリック・マリンズによる守備のビッグプレーでした。5回、ヤンキースは二死一塁のチャンスを作り、ポール・ゴールドシュミットがセンター方向へ大きな打球を放ちました。
マリンズは完璧なタイミングでジャンプし、ゴールドシュミットから長打(もしかすると本塁打)を奪う華麗なキャッチを披露し、自身のハイライト集にまたひとつ素晴らしいプレーを加えました。
菅野はそのプレーに拍手を送り、オリオールズのダグアウト前でマリンズとハイタッチを交わしてからベンチに下がりました。
ジェイク・リル:MLB.comオリオールズ担当
引用元:mlb.com