スラッガーでフリーエージェントの一塁手クリスチャン・ウォーカーとアストロズが3年総額6000万ドルの契約に合意したと、MLB.comのマーク・ファインサンドが金曜日に報じました。なお、この契約について球団からの公式発表はまだありません。
ウォーカーの獲得は、アストロズにとって1週間以内での2つ目の大きな動きとなります。同チームは先日、スター外野手のカイル・タッカーを、サードのアイザック・パレデスを含むパッケージでカブスにトレードしていました。現在アストロズは、ウォーカーとパレデスでコーナーを固めることが可能となったため、2度のオールスター選出およびワールドシリーズ制覇を誇る三塁手アレックス・ブレグマンが2025年にチームに残る可能性はほぼなくなったとみられます。
また、この動きにより、三塁手ノーラン・アレナドの獲得も事実上閉ざされた形です。アレナドは今週初め、アストロズへの移籍を提案された際に、トレード拒否条項を行使してその可能性を断っていました。
ウォーカーはダイヤモンドバックスからのクオリファイング・オファーを拒否していたため、契約が正式に成立すれば、アストロズは2025年のドラフトで2番目および5番目に高い指名権を失い、さらに次回の国際契約金プールから100万ドルを失うことになります。しかし、ブレグマンが別のチームと契約した場合には、補償指名権を受け取ることができます。
ウォーカー(33歳)は過去3シーズンで、卓越した打撃力と一流の守備力を兼ね備えた、リーグ屈指の一塁手として静かにその地位を確立してきました。
右打ちのスラッガーであるウォーカーは、2022年以降、主に一塁を守る選手としてWAR(Baseball-Referenceによる)11.4を記録し、この期間中で5位にランクインしています。その間に1,880打席で95本塁打、281打点、OPS.813(OPS+ 123)を記録し、さらに「Outs Above Average」では38を記録してポジション内トップの成績を誇っています。
2024年には左脇腹の負傷により1か月以上欠場しましたが、もしこれがなければ3年連続で30本塁打を達成していた可能性があります。最終的にウォーカーは、ダイヤモンドバックスで130試合に出場し、26本塁打、84打点を記録するとともに、3年連続となるゴールドグラブ賞を受賞しました。全フィールドを使ったアプローチを持つ打者ではありますが、ミニッツメイド・パークの「クロフォードボックス」の恩恵を受ける場面もあるでしょう。
遅咲きの選手であるウォーカーは、2014年にオリオールズでメジャーデビューを果たした後、メジャーでの足場を固めるまでに長い時間を要しました。彼はオリオールズでわずか13試合に出場した後、2017年のわずか5週間の間にウェイバーを通じて3度チームを移籍し、オリオールズからブレーブス、レッズ、そしてダイヤモンドバックスへと渡りました。
2018年12月にアリゾナが長年一塁手を務めたポール・ゴールドシュミットをカージナルスにトレードした後、ウォーカーは初めてレギュラーのチャンスを得ました。そして2019年には152試合で29本塁打、OPS.824を記録してその期待に応えました。
2020年の短縮シーズンでも安定した成績(OPS.792)を残しましたが、翌2021年には右脇腹の負傷で欠場し、115試合でOPS.697、10本塁打にとどまりました。しかし、2022年にはキャリア最高の36本塁打、OPS.804を記録し、初めてのゴールドグラブ賞を受賞するなど見事に復活を遂げました。
2023年には再びゴールドグラブ賞を受賞し、157試合で33本塁打、OPS.830を記録。レギュラーシーズンの活躍に加え、アリゾナを驚きのワールドシリーズ進出に導きました。
ウォーカーの加入は、アストロズが2022年11月に元アメリカンリーグMVPのホセ・アブレイユと3年総額5850万ドルの契約を結んでからわずか2年後のことです。しかし、アブレイユはヒューストンでの2年間を通して苦戦を強いられ、最終的に2024年6月14日に球団から放出されました。アブレイユは昨シーズン、35試合で本塁打2本、OPS.362にとどまり、アストロズでの通算成績は176試合で打率.217、出塁率.275、長打率.351というものでした。
2024年にはジョン・シングルトンが一塁手として大半の試合に出場し、119試合で打率.234、出塁率.321、長打率.386を記録しました。
ウォーカーは攻守両面で明らかに大幅なアップグレードです。ブレグマンが退団する可能性が高い中でも、ウォーカーとパレデスがコーナーを固め、ホセ・アルトゥーベとジェレミー・ペーニャが内野の中心を守ることで、アストロズの内野陣は改善されたといえるでしょう。
トーマス・ハリガン:MLB.com記者
ケネディ・ランドリー:MLB.comレンジャーズ担当
引用元:mlb.com