フォートマイヤーズ(フロリダ州)発 —— レッドソックスはこのオフシーズンを通じて、右打者を求めていた。そして市場に出ていた選手の中で、アレックス・ブレグマンが最適な候補と見なされていた。
ついにこの契約が実現したのは、水曜の深夜だった。MLB.comのマーク・ファインサンド氏が情報筋の話として伝えたところによると、レッドソックスのチーフ・ベースボール・オフィサーであるクレイグ・ブレスロウ氏が、フリーエージェントとなっていた三塁手で2度のワールドシリーズ制覇を誇るブレグマンと3年1億2000万ドルの契約に合意したという。この契約は球団からまだ正式発表されていないが、2025年と2026年のシーズン後にオプトアウトの権利が含まれ、一部の支払いが繰り延べられる形になっている。
長年アストロズでプレーしてきたブレグマンには、タイガースから6年1億7150万ドル(2026年後のオプトアウト付き)、カブスから4年1億2000万ドル(2026年・2027年後のオプトアウト付き)のオファーがあったとされる。しかし、彼は年平均額の高いボストンの契約を選んだと情報筋は伝えている。
ブレグマンの加入は、レッドソックスにとって左打者が多い打線のバランスを取る右の強打者を得るだけでなく、昨シーズンメジャー最多の失策を記録し、過去3年間で最も顕著な弱点とされてきた内野守備を強化することにもつながる。
ボストンの開幕戦(3月27日・レンジャーズ戦)での予想スタメンは以下の通り:
- ジャレン・デュラン(LF)
- ラファエル・デバース(3B)
- アレックス・ブレグマン(2B)
- トリストン・カサス(1B)
- トレバー・ストーリー(SS)
- 吉田正尚(DH)
- コナー・ウォン(C)
- ウィリヤー・アブレウ(RF)
- セデイン・ラファエラ(CF)
ブレグマンはキャリアを通じて優れた三塁手としてプレーしてきたが、ボストンの現在のロースターを考えると、最も理にかなったポジションは二塁となる。レッドソックスは2017年シーズンを最後に、ダスティン・ペドロイアのケガによる事実上の引退以降、安定した二塁手を確保できていない状況が続いていた。
スター選手であるラファエル・デバースは、2017年7月のメジャー昇格以来、レッドソックスの正三塁手を務めてきた。
ブレグマンの持ち前の運動能力を考えれば、二塁への適応はスムーズに進む可能性が高い。実際、彼はこれまでキャリアの中で9試合ながら二塁を守った経験がある。
もしレッドソックスがトリストン・カサス(1B)や吉田正尚(DH)をトレードすることになれば、三塁が空き、ブレグマンが本職の三塁を守り、デバースが一塁やDHに回ることも考えられる。
これらの起用法については、開幕戦(3月27日・レンジャーズ戦)までに時間をかけて検討することになるだろう。
いずれにせよ、レッドソックスはフェンウェイ・パークで優れた成績を残してきた選手を獲得した。ブレグマンはフェンウェイでの通算打率.311、出塁率.458、長打率.660、9本塁打、17打点(131打席)を記録しており、ポストシーズンでレッドソックスと対戦した際も好成績を収めている。
ブレグマンと、健康を取り戻したトレバー・ストーリーが二遊間を組めば、ボストンのセンターラインはメジャートップクラスになる可能性が高い。
レッドソックスが2024年シーズンを81勝81敗で終えた瞬間から、球団幹部はアメリカン・リーグ東地区の優勝争いに本気で挑み、3年連続のポストシーズン不出場に終止符を打つと明言してきた。
そのミッションの最初の一手は12月に行われた大型トレードだった。
ブレスロー球団編成本部長は、新進気鋭の左腕エース、ギャレット・クロシェを2人のプロスペクトと引き換えに獲得した。
また、複数のワールドシリーズ制覇を経験した投手として、右腕先発のウォーカー・ビューラー、左腕リリーフのアロルディス・チャップマンを年明け前に補強。
しかし、レッドソックスは打線強化に関しては動きを見せていなかった。
それがようやく水曜日のブレグマン獲得により実現した。
「チームとしての目標は変わらないが、もしかすると期待値は少し変わるかもしれない。でも、彼(ブレグマン)がここに加わることにこれ以上ないほど興奮している」とクロシェは語った。
「ワクワクするね。自分がトレードで移籍した時にも言ったけど、この地区(ア・リーグ東地区)はMLBで最もレベルの高い地区の一つで、生き残るためには強力なチームが必要だ。今回の補強で、もう“生き残る”どころじゃなくなったと思うよ。」
アレックス・コーラ監督は、2017年にアストロズのベンチコーチとしてブレグマンと共に過ごした経験があり、ウィンターミーティングで30歳の内野手について熱く語った。
「アレックスは素晴らしい選手だ」とコーラ監督は12月9日にダラスで話した。
「彼は総合力の高い選手で、キャリアを通じて常に勝てるチームに所属してきた。守備も良いし、打撃でも非常に優れている。彼について多くの人が話題にするのも当然だし、メジャーのチーム、それも優勝を狙うチームに大きな影響を与えられる選手だ。まさにそのタイプのプレーヤーだよ。」
ブレグマンは、2019年にア・リーグMVP投票でマイク・トラウトに次ぐ2位に入った際の全盛期の打撃成績には及ばないものの、今でも平均を大きく上回る打者であり、ボールをしっかり捉え、三振も少ない選手であり続けている。
ブレグマンは元々特に高いハードヒット率を誇る打者ではなかったが、昨シーズンは自己最高の40.4%を記録した。13.6%の三振率は、規定打席に達した打者の中で94パーセンタイルと優秀だったものの、6.9%の四球率はキャリア平均の11.9%を大きく下回った。Statcastによると、211人の規定打席到達者の中で「スクエアアップ率」10位にランクインしている。
また、ブレグマンは比較的耐久性のある選手でもあり、2017年以降、パンデミックで短縮された2020年を除けば、フルシーズンで145試合以上に出場している(1シーズンを除く)。さらに、過去7年間のアストロズ王朝の中心選手として豊富なポストシーズン経験を持ち、通算99試合に出場して19本塁打、OPS.789を記録している。
2024年シーズンは、30本の二塁打と26本の本塁打を放ち、打率.260 / 出塁率.315 / 長打率.453をマーク。キャリア通算では打率.272 / 出塁率.366 / 長打率.483の成績を残している。
マニー・ランダワ:MLB.com記者
引用元:mlb.com