フィラデルフィア — どれだけ才能にあふれたチームであっても、162勝0敗という成績は現実には達成不可能だ。そのことをドジャースも理解している。とはいえ、今季ここまでの試合では、毎試合「勝てる」という手応えを持ってフィールドに立っていたのも事実だ。
しかし、ワールドシリーズ王者として迎えた今季を8連勝という驚異的な無敗スタートで切ったドジャースも、ついにその連勝が止まった。金曜日の夜、シチズンズ・バンク・パークで行われた試合で、ドジャースはフィリーズに2対3で敗れ、2025年シーズン初黒星を喫した。
この「8勝0敗」の開幕記録は、前年のワールドシリーズ王者としては史上最高、球団史でも1955年(10勝0敗)と1940年(9勝0敗)に次ぐ3番目の記録だった。
なお、8連勝のうち6試合が逆転勝ちという、メジャー史上でも前例のない快進撃だったが、今回ばかりはフィリーズ投手陣の鉄壁のリレーに阻まれ、7度目の逆転劇は実現しなかった。
左腕ヘスス・ルサルドは、序盤からドジャース打線を完全に封じ込め、最初の出塁を許して以降、13人連続で打ち取る圧巻の投球を見せた。ようやくドジャースが反撃の兆しを見せたのは7回。テオスカー・ヘルナンデスがチーム2本目となる二塁打を放ち、2アウト後にウィル・スミスが四球を選んでチャンスを広げた。
ヘルナンデスは三塁への盗塁にも成功し、同点の走者が90フィート先に迫ったが、ルサルドはキケ・ヘルナンデスとの7球に及ぶ粘り合いを制し、空振り三振に仕留めてピンチを脱した。
8回にもドジャースは再び得点機を作り、2アウト一・三塁の場面で打席には同点のランナーとしてムーキー・ベッツが立った。だがここで、二塁を狙った大谷翔平が盗塁死となり、ドジャースの反撃ムードは断ち切られてしまった。
そしてある意味で象徴的だったのは、試合の幕切れもまた走塁ミスによるアウトだったことだ。トミー・エドマンの2ラン本塁打で1点差に迫った直後、代走として出場していたクリス・テイラーが二塁を狙って走り出し、微妙なタイミングのプレーとなったが、リプレイ検証の結果アウトと判定され、ゲームセットとなった。
ソニア・チェン:MLB.comドジャース担当
引用元:mlb.com