キアマイアー ブルージェイズのスペシャルアシスタントとして加入

MLB ケビン・キアマイアー ブルージェイズ

トロント発 — 「外野のささやき人」と呼んでくれ。ケビン・キアマイアーが戻ってきた。

ドジャースでワールドシリーズ優勝を果たし、12年のMLBキャリアに幕を下ろしてからわずか数カ月後、キアマイアーはブルージェイズの特別補佐(スペシャル・アシスタント)としてチームに加わることとなった。


この構想は、キアマイアーの頭の中で何年も前から温められていた。2024年シーズンが自身最後の年になると初めて明かした昨年7月の時点でも、すでに次のステップをほのめかしていた。当初は2025年を完全な引退期間として、野球から一切離れるつもりだったが、彼の人生はずっと野球のリズムで動いていた。

「いつも冗談で、『俺がいなくなったら寂しくなるだろうけど、いつか特別補佐として戻ってくるから、その時は喜んでくれるさ』って言ってたんだ。本当に実現するなんて面白いよね」とキアマイアーは語る。「この仕事はまさに夢のような仕事だ。待ちきれないよ。」

キアマイアーはブルージェイズの外野手たちを指導する役割を担い、スプリングトレーニングが始まる来週から活動を開始する予定だ。新しい顔ぶれが多少いるとはいえ、彼はチームの施設にいるほぼ全員を知っている。2023年にブルージェイズと契約した後、彼はトロントの環境にすぐに溶け込み、2024年のトレード期限にドジャースへ移籍した後も、その絆を保ち続けていた。そして、ジェイズのロス・アトキンスGMやフロント陣に対し、単に球場に顔を出すだけでなく、本気で働きたいという意思を伝えていた。

「お願いだから信じてほしい。この組織の一員にならせてくれ。色んなところを回らせてくれ。」とキアマイアーはブルージェイズに伝えた。「組織のトップから末端まで、僕の力を発揮させてほしい。外野の選手たちにとっての“ささやき人”になりたいんだ。」


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ブルージェイズは近年、元選手たちを積極的に活用しており、昨年はビクター・マルティネスを特別補佐として迎え入れた。マルティネスは、アトキンスGMやマーク・シャピロ社長とのクリーブランド時代からの縁があり、スプリングキャンプやシーズンを通じて、若手打者たちを指導した。彼は元ブルージェイズのスター、エドウィン・エンカーナシオンと共に打撃面での助言を行うことも多かった。投手陣においても同様の流れがあり、1996年のサイ・ヤング賞受賞者であるパット・ヘントゲンが長年にわたり若手選手たちの貴重な指導役を担ってきた。

元選手たちは、さまざまな分野でチームに貢献している。例えば、エンカーナシオンは若手のパワーヒッターを指導し、自身が歩んできた道を彼らにも示している。そして、キアマイアーは当然ながら外野手の育成に尽力することになる。彼のゴールドグラブ賞4度の受賞歴だけでは、彼の守備の凄さを語り尽くせない。多くの指標において、彼はMLB史上最高の外野手の一人と評価されているのだ。

しかし、すべての始まりは「関係性」だ。マルティネスがシャピロと長年のつながりを持っていたように、ブルージェイズはキアマイアーにとって特別な存在だ。

「彼らには感謝しきれません」とキアマイアーは語る。「ここ数年、素晴らしい待遇を受けてきました。だからこそ、この関係を続けたかったんです。この組織の人々が大好きなんです。ここには大きな可能性と才能が溢れているし、素晴らしい人々がたくさんいる。そんな環境から1年も離れるなんて考えられなかった。本当にワクワクしています。」

そして、いよいよ本格的な仕事が始まる。キアマイアーは今後もフライボールを追いかけ、バッティング練習中にホームランを阻止するプレーを見せるだろう。彼は、飛んできたボールを見て何もしない、ということができないタイプの人間だ。

キアマイアーはすぐに選手たちと打ち解けるはずだ。それは彼がMLBで成功を収めたからというだけではない。彼の道のりそのものが、若手選手たちにとって大きな刺激となるのだ。彼は決して「次世代のスター」としてもてはやされた選手ではなかった。MLBドラフト31巡目という低い評価から這い上がり、ここまでたどり着いた。ドゥネディンのキャンプには、同じようにチャンスを掴みたいと願う若手外野手が何十人も集まる。

34歳になったキアマイアーは、彼らにこう伝えるつもりだ。

「俺は自信に満ちていたし、必死に努力して、かつて『史上最高の外野手の一人になる』というマインドセットを作り上げたんだ」とキアマイアーは語る。「俺は常にそういうプレーをしようとしていたし、守備こそが自分の最大の武器だと分かっていた。だからこそ、俺は“史上最高”を目指して努力した。そして今、コーチングの立場からも同じことをやりたい。俺のキャリアと成績が、それを証明している。だから若い選手たちにはこう言いたい。『もし俺が君たちの立場なら、俺の言うことをしっかり聞くね』と。」

キーガン・マセソン:MLB.comブルージェイズ担当
引用元:mlb.com

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