カブス・鈴木誠也 心のこもった歓迎に感動

MLB 鈴木誠也 カブス

東京 — 鈴木誠也が阪神タイガースのファンが各打者のために繰り広げる熱狂的な応援歌やチャントを耳にするのは、久しぶりのことだった。土曜日の東京ドームで、カブスの外野手は再びそれを体感し、鳥肌が立ったと語った。また、チームメートの反応を見るのも楽しんだという。


試合後の記者会見では、カブスのファンがリグレー・フィールドの外野席で各打者のための応援歌を作るべきかと尋ねられた際、鈴木は顔を伏せて笑った。

「何かとんでもないことが起こりそうで怖いですね」と鈴木は通訳を介して語り、「今のままでいいと思います」と続けた。

阪神ファンの一団は右翼席に集まり、熱狂的な雰囲気を作り上げた。カブスは今週、2試合のエキシビションゲームを予定しており、その初戦となった。日曜日には読売ジャイアンツと対戦し、その後、火曜日と水曜日にドジャースと対戦する開幕シリーズ(東京シリーズ)に臨む。

阪神の選手に向けた地元ファンの声援は確かに大きかったが、それ以上だったのは、鈴木がメジャーリーガーとして日本で初めて試合に出場した際の歓声だった。かつて日本プロ野球(NPB)の広島東洋カープで活躍した鈴木は、今ではカブスの主力打者として、チームのプレーオフ進出に向けた重要な存在となっている。


「この球場ではたくさんの良い思い出があります」と鈴木は語った。「打席に入る前の歓声もしっかり聞こえました。全体的に、今日は本当に素晴らしい経験になりました。」

鈴木はこの試合で、最も鋭い打球のうち2本を放ち、1回には107.5マイル(約173キロ)、4回には111.7マイル(約180キロ)の打球速度を記録した。しかし、どちらのライナーも阪神の外野手のグラブに収まった。7回にはバットを折りながらもレフトへヒットを放ち、歓声に包まれる中で安打を記録した。

カブスのクレイグ・カウンセル監督は、「セイヤは今日よくバットを振っていた。我々のチームの中でも特に良かったと思う」とコメント。「最初の2打席では本当に強い打球を放っていた。だからこそ、ヒットに値する内容だった」と称賛した。


スタンドには鈴木のユニフォームを着た若いファンの姿が多く見られた。カブスのユニフォームはもちろん、広島時代のものを着ているファンもいた。それは鈴木にとって特別な意味を持つ。彼自身もかつてはファンとして、選手たちを見上げる側だった。9歳のとき、彼は東京ドームでヤンキースの松井秀喜が放ったホームランを目の当たりにしたという。

「とても嬉しいです」と鈴木は語った。「昔の自分を思い出します。あの頃は選手たちを見上げていました。そして今、その逆の立場になっているのが不思議な気持ちです。でも、今回の東京シリーズでは、彼らに良い印象を残したいと思っています。」

今回の日本でのエキシビションゲームでカブスが直面する課題の一つは、シーズン中のメジャーリーグの試合のように詳細なスカウティング情報やデータが揃っていないことだ。しかし、カウンセル監督はその要素を楽しんでいるようだった。

「この2試合の楽しみの一つだと思います」とカウンセル監督は語った。「今の野球は情報がすべての準備を支配する時代です。しかし、今回は情報がほとんどない状態で試合をする。それが面白いんです。私のような年配の人間にとっては、昔の時代に戻ったような感覚ですね。試合中に前の打者に『どんな球を投げてくる?』と聞くことが、スカウティングレポートになるかもしれません。」

「そういう状況を楽しめると思います。でも、果たして打者たちはどう感じるでしょうか。彼らはデータを欲しがるでしょうからね。」

実際、この試合では阪神の先発投手・門別啓人がカブス打線を5回まで完全に封じ込めた。しかし、6回、カブスの捕手ミゲル・アマヤが阪神のリリーフ投手ニック・ネルソンからレフトへのヒットを放ち、チームの16打席連続無安打の流れを断ち切った。


「ノーヒットや完全試合が続いていることは全く知りませんでした」とアマヤは語った。「ただ集中して、良い打席にしようとしていただけです。ヒットを打った後、みんなが歓声を上げているのを見て、試合で一本打てたことを誇りに思います。」

カブスはこの試合をブルペンデーとして計画し、先発した右腕ジュリアン・メリーウェザーが1回を無失点で抑えた。その後、カウンセル監督は合計9人の投手を起用。これにより、翌日の読売ジャイアンツとのエキシビションゲームでは、先発予定のジェイムソン・タイオンとマシュー・ボイドが継投で登板する形を整えた。

「カブスのユニフォームを着て東京ドームでプレーできたことは、私にとって非常に特別な経験でした。生涯忘れられない思い出になりました。」
— 鈴木誠也

引用元:mlb.com

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