2025年 活躍が期待されるルーキー11人

MLB マット・ショウ ジェイコブ・ウィルソン

2024年のルーキー・クラスは私たちを甘やかしてしまったかもしれない。特にナショナルリーグでは、非常に優れたパフォーマンスを見せた。しかし、毎年これほど多くの若手選手がメジャーリーグで即座にインパクトを与えるとは限らない。

…そう思うよね?


とはいえ、今年の新人クラスも同じくらい特別な存在になるかもしれない。時間が経てばわかるだろう。

以下は、2025年のSteamer予測に基づいた、FanGraphs WARが1.0以上と見込まれている11人のルーキーたちの成績予測だ。始める前に2つの注意点を挙げておく。このリストには、ドジャースの先発投手・佐々木朗希は含まれていない。MLB.comのデビッド・アドラーがすでに彼の予測成績について書いているためだ。また、レッズのルーキー右腕レット・ラウダーも除外されている。彼の予測WARは1.2とリスト入りに十分な数値だが、肘の違和感があるため、現時点での状況は不透明である。

ジェイコブ・ウィルソン(アスレチックス / 遊撃手 / No.31)

予測成績:
478打席, 8本塁打, 6盗塁, OPS .755, WAR 3.3

このリストは、トップ100プロスペクトの中で最高のコンタクトスキルを持つ選手から始まる。ウィルソンは強い打球を飛ばすタイプではない。昨シーズン、アスレチックスでデビューした際には、84打球のうち1本もバレルゾーンに入らなかった。しかし、確実にボールに当てる能力は間違いなく持っている。マイナーリーグ通算79試合で打率.401を記録し、昨季のメジャー103打席では三振わずか10回、空振り率も12.7%と低かった。一方、39.7%のスクエアアップ率を記録しており、これは2023年に3度の首位打者を獲得したルイス・アラエスを除けば、メジャーリーグで最も高い数字である。

2023年のドラフト全体6位指名のウィルソンは、開幕戦のアスレチックスの遊撃手として出場する可能性が高い。予測打率.287は全選手の中で6位、WAR3.3はジェレミー・ペーニャやCJ・エイブラムスと並ぶ。


マット・ショウ(カブス / 内野手 / No.19)

予測成績:
483打席, 15本塁打, 15盗塁, OPS .729, WAR 2.3

カブスファンの中には、「なぜアレックス・ブレグマンの獲得に成功しなかったのか」と落胆している人もいるかもしれない。しかし、ポジティブなニュースもある。チームのトップ・プロスペクトであるショウが、開幕戦のラインナップに入る可能性が非常に高いのだ。MLB Pipelineのトップ100に7人もの選手を送り込んでいるカブスだが、その中でショウは現在の三塁手の最有力候補となっている。彼自身も金曜日のインタビューで、「開幕ロースター入りするのは夢のようなことだ」と語った。

ショウはプラス評価のパワーとスピードを兼ね備えた選手で、昨年はダブルAとトリプルAで21本塁打・31盗塁を記録。20-30シーズンを達成した4人のマイナーリーガーのうちの1人となった。予測成績の15本塁打・15盗塁を達成すれば、**カブス史上初の「15-15ルーキー」**となる。


ジェイソン・ドミンゲス(ヤンキース / 外野手 / No.21)

予測成績:
530打席, 18本塁打, 18盗塁, OPS .745, WAR 2.2

ドミンゲスは長年にわたり**「超有望株」**として注目されてきたため、彼が先週22歳になったばかりであることを忘れがちだ。2020年以来、毎年MLBのトップ100プロスペクトに選ばれ、2023年9月のメジャーデビュー戦では、ジャスティン・バーランダーから本塁打を放つ鮮烈なデビューを果たした。

しかし、その後の評判はやや陰りを見せた。デビューからわずか数週間後にトミー・ジョン手術を受けることとなり、昨年シーズン終盤にメジャー復帰した際は、打率.179(67打席で19三振)と苦しみ、左翼守備でも不安を見せた。それでも、開幕戦ではヤンキースのレフトのレギュラーとして出場する可能性が高く、そのポテンシャルは依然として非常に高い。

ドミンゲスがミッキー・マントルやマイク・トラウトのような伝説的な存在になるという期待はやや過剰だったかもしれないが、2025年シーズンはヤンキースのリードオフマンを務める可能性がある。WARの予測値ではドジャースのテオスカー・ヘルナンデスと並ぶ、トップ50の外野手と評価されている。

クマール・ロッカー(レンジャーズ / 右投手 / No.44)

予測成績:
142 1/3投球回, 9勝, 145奪三振, 防御率3.79, WAR 2.1

2022年ドラフト全体3位指名のロッカーは、2023年のトミー・ジョン手術から復帰後、圧巻の投球を披露。ダブルAからメジャーまでの3レベルで41 1/3回を投げ、防御率1.74、61奪三振という成績を記録した。

メジャーリーグでは11 2/3回を投げ、96mph(約154km/h)の速球と強力なスライダーを駆使し、支配的なピッチングを見せた。特にスライダーの**空振り率は66%**に達し、メジャーリーグでも50%という驚異的な数値を記録した。

ロッカーはレンジャーズの開幕ローテーション入りが確実ではないものの、予測では23先発(39試合登板)で142 1/3回を投げると見込まれており、シーズン中に大きな役割を果たす可能性が高い。今春のキャンプで注目すべき投手の一人であることは間違いない。


クリスチャン・キャンベル(レッドソックス / 外野手 / No.7)

予測成績:
388打席, 10本塁打, 9盗塁, OPS .768, WAR 2.0

アレックス・ブレグマンのボストン移籍により、シカゴではマット・ショウに出場機会が開かれたが、一方でキャンベルの即戦力としての道はやや複雑になった。22歳のキャンベルは開幕時の二塁手候補と見られていたが、ブレグマンが二塁を守る可能性が高くなったため、そのポジションは不透明となった。

しかし、キャンベルにとっての朗報は彼が二塁手に限定されないことだ。昨年はショート、三塁、中堅などさまざまなポジションでプレーし、打撃面でも115試合で打率.330、出塁率.439、長打率.558を記録し、20本塁打&24盗塁をマークした。

2024年の開幕時点ではレッドソックスのトップ30プロスペクトにも入っていなかったが、現在はMLB全体で7位のプロスペクトにランクイン。Steamerの予測では今季96試合に出場し、wRC+115(平均以上の打撃力)を記録するとされている。守備位置の調整は今後の課題となるが、ボストンはキャンベルの攻撃力を活かす方法を模索することになるだろう。


ディラン・クルーズ(ナショナルズ / 外野手 / No.4)

予測成績:
615打席, 17本塁打, 25盗塁, OPS .706, WAR 1.4

このリストの中で昨シーズン、最もメジャーリーグでプレーした選手がクルーズだ。2023年ドラフト全体2位指名のクルーズは、8月26日にナショナルズでデビューし、その後132打席に立った。しかし、打率.218、出塁率.288、長打率.353と期待されたような活躍はできなかった。

それでも、クルーズは外野守備で3つの「アウト・アバブ・アベレージ(OAA)」を記録し、走力も発揮(93パーセンタイルのスプリントスピードを誇り、15回の盗塁試行で12盗塁成功)。5ツールプレイヤーとしてのポテンシャルは依然として高く、MLB Pipelineのスカウティングスケール(20-80)ではすべての部門で60以上の評価を受けている。

予測では打率.246、WAR 1.4とやや控えめな数字が出ているが、もし期待通りの成長を遂げれば、ナショナルズ/エクスポズの球団史上初の「20-20(20本塁打&20盗塁)」達成者になる可能性がある。

キム・ヘソン(ドジャース / 二塁手)

予測成績:
365打席, 5本塁打, 14盗塁, OPS .698, WAR 1.4

26歳のキム・ヘソンはKBOリーグで8シーズンプレーし、通算打率.304、211盗塁を記録したトッププレイヤーである。特に守備面で優れた実績を持ち、過去3年間、KBOのゴールデングラブ賞(二塁手部門)を連続受賞した。

ドジャースでは開幕時の二塁手候補の一人として見られているが、ユーティリティプレイヤーとしての起用も視野に入れられている。KBO時代にはショートや二塁を中心にプレーし、守備力の高さを示してきた。

打撃面ではMLBに適応するのに時間がかかる可能性があるものの、予測では打率.279、三振率16.2%と比較的高いコンタクト率を誇る。さらに14盗塁を記録するなど、走塁面でも貢献が期待される。

キムの打撃は平均以上(wRC+97と予測)には届かないかもしれないが、堅実な守備と走塁、そして確実性のある打撃によって、ドジャースの戦力として活躍する可能性が高い。


ジェイス・ヤン(タイガース / 三塁手)

予測成績:
331打席, 9本塁打, 2盗塁, OPS .694, WAR 1.3

ヤンはアレックス・ブレグマンのレッドソックス移籍の恩恵を受ける選手の一人だ。MLB.comのマーク・ファインサンドによると、タイガースはブレグマンに6年1億7150万ドルのオファーを提示していたが、獲得できなかったことでヤンに三塁での出場機会が増える可能性が高まった。

24歳のヤンは2023年のマイナーリーグで28本塁打を放ち、2024年も95試合で15本塁打を記録するなどパワーを発揮。しかし、メジャー昇格後はその長打力が発揮できず、94打席で本塁打ゼロ、29三振と苦戦した。さらに、右手首のケガを抱えながらプレーしていたことも影響したとみられる。

ヤンは今オフに手首の手術を受けており、2025年は本来の打撃を取り戻すことが期待される。左打者のヤンは、右打ちのマット・ビアリングと三塁でプラトーンを組む可能性もある。


ウィル・ワグナー(ブルージェイズ / 二塁手)

予測成績:
326打席, 6本塁打, 2盗塁, OPS .749, WAR 1.1

殿堂入りした元メジャーリーガーのビリー・ワグナーの息子であるウィル・ワグナーは、打撃に強みを持つ選手だ。その片鱗はすでにメジャーリーグで見せており、デビューから4試合で7安打を記録し、さらにデビュー16試合目にはツインズ戦で5安打の快挙を達成した。ブルージェイズの球団史上、デビュー50試合以内で5安打を記録した選手はワグナーが初となった。

ただし、今オフのブルージェイズは二塁手アンドレス・ヒメネスのトレード獲得や、アンソニー・サンタンデールのFA契約を行ったため、ワグナーがレギュラーとしてプレーする道は少し不透明になった。しかし、Steamerの予測では**打率.272、出塁率.351、wRC+118(リーグ平均を上回る打撃力)**を記録する見込みで、チームがどこかで彼の打撃を活かす起用法を模索する可能性が高い。


トレイ・スウィーニー(タイガース / 遊撃手)

予測成績:
325打席, 8本塁打, 8盗塁, OPS .656, WAR 1.1

タイガースファンにとって、この春季キャンプでは内野の左側のポジション争いが注目ポイントとなるだろう。特に遊撃手のポジション争いは要チェックだ。
ハビエル・バエズはタイガースで3シーズンにわたって正遊撃手を務めているが、2023年以降のwRC+は56と、最低800打席以上の打者の中でワーストとなっている。さらに、彼は2024年8月に右股関節の手術を受けてシーズンを終えており、完全復活が求められる状況だ。

昨シーズン、バエズが離脱した際にスウィーニーが遊撃手として出場し、守備ではアウト2つを記録(バエズは-1)し、打撃でも36試合で4本塁打を放つなど一定の結果を残した。fWARではスウィーニーが0.4、バエズは80試合で-0.7という対照的な数字が出ている。

バエズはまだ3年総額7300万ドルの契約を残しており、タイガースは契約の関係上、できる限り彼を正遊撃手として起用したい考えだろう。しかし、24歳のスウィーニーは「試合の流れが少し見えるようになってきた」と球団社長のスコット・ハリスも評価しており、今季の活躍次第ではポジション争いに割って入る可能性がある。

チェイス・メイドロス(ホワイトソックス / 内野手)

予測成績:
230打席, 3本塁打, 3盗塁, OPS .702, WAR 1.1

メイドロスは昨シーズン、マイナーリーグで105四球を記録し、.435の出塁率を誇った選手だ。もともとはレッドソックス傘下にいたが、昨年12月にギャレット・クロシェとのトレードでホワイトソックスに移籍した。

彼は特筆すべきツールを持っているわけではないが、優れたバットコントロールと高い出塁能力が魅力だ。Steamerの予測では、2025年シーズンに57試合に出場し、出塁率.356を記録する見込みで、**四球率も13.7%**とリーグでも上位クラスになりそうだ。

ホワイトソックスのアクティブロースターに開幕時から控え内野手として名を連ねる可能性が高いとみられており、今後の起用法に注目が集まる。


ブライアン・マーフィー:MLB.com記者
引用元:mlb.com

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