投手と捕手のキャンプ合流まで1週間を切る中、依然として多くのFA選手が契約を求めている。
フリーエージェント市場の最大の目玉選手はほぼすべて契約を結んだが、ピート・アロンソがメッツと再契約したことで、現在唯一の大物FAはアレックス・ブレグマンとなった。
とはいえ、現在のFA市場には依然として多くの実績ある選手が残っており、かつてのようなフランチャイズを変えるほどのインパクトはないものの、プレーオフ進出を狙うチームにとって貴重な戦力となり得る選手も多い。
ここでは、まだ契約が決まっていない5人の注目選手を紹介する。
アレックス・ブレグマン(3B)
依然として市場に残る選手の中で群を抜いて優れた存在であるブレグマンは、この冬のトップFAリストに名を連ねた最後の選手となった。
ここ数週間、アストロズ復帰の可能性がささやかれているものの、情報筋によると「可能性は非常に低い」とのこと。一方で、ブルージェイズ、タイガース、レッドソックスが依然として獲得候補として挙がっているが、他のスコット・ボラスのクライアントとは異なり、短期契約+オプトアウトを希望していないとされる。
現時点ではブルージェイズとタイガースが最有力候補とみられるが、果たしてどちらのチームがブレグマンを満足させるようなオファーを提示するか、今後の動向が注目される。
ニック・ピベッタ(右投げ先発投手)
ピベッタがクオリファイング・オファーを拒否した決断は、このオフシーズンの市場において大きな障害となっている。多くの球団はドラフト指名権を手放してまで、トップFA以外の選手と契約することに慎重な姿勢を見せているためだ。
バレンタインデーに32歳を迎えるピベッタには、短期契約+オプトアウト付きでレッドソックスに復帰する選択肢がある。そうすることで、来オフにはドラフト指名権補償の影響を受けずに再び市場を試すことが可能となる。
ボストンはピベッタと契約してもドラフト指名権を失わない唯一のチームであり、このオフにギャレット・クロシェやウォーカー・ビューラーを獲得したとはいえ、ブルペンとしても起用可能なピベッタの居場所は十分にあると言える。
デビッド・ロバートソン(右投げリリーフ投手)
このオフシーズンのリリーフ市場は上位層に集中しており、タナー・スコットがドジャースと4年総額7200万ドルで契約するなど、一部の選手に高額契約が集中した。一方で、クレイ・ホルムズ、ジェフ・ホフマン、カルロス・エステベスを含む数名のリリーフ投手が複数年契約を結んだが、ロバートソンはそれらの投手とは異なり1年契約を希望している。
不屈のベテランであるロバートソンは、4月に40歳を迎えるが、2024年シーズンも安定した成績を残した。レンジャーズで72イニングを投げ、防御率3.00、99奪三振を記録し、依然として高いパフォーマンスを維持している。
ロバートソンは通算177セーブを誇り、クローザーとしても活躍できるほか、ブルペンのあらゆる場面で起用可能な柔軟性を持つため、勝負どころで頼れるリリーフ投手を求める球団にとって魅力的なオプションとなっている。
なお、ロバートソンの他にも、ケンリー・ジャンセンやカイル・フィネガンといった優れたブルペン投手が市場に残っている。
ポール・デヨング(遊撃手)
31歳のデヨングは、昨シーズンホワイトソックスとロイヤルズで計1.7 fWARを記録し、遊撃手の補強を検討している球団にとって有力な選択肢となっている。
タイガース、ホワイトソックス、ブルワーズがデヨングの獲得候補として挙げられそうだ。彼は昨シーズン24本塁打を放ち、2019年のキャリアハイ(30本塁打、オールスター選出)以来の最多本塁打を記録した。
一部の球団はデヨングをユーティリティプレーヤーとして考える可能性もあるが、ホセ・イグレシアス、キケ・ヘルナンデス、ブレンダン・ロジャーズといった他の内野手も市場に残っており、球団は複数の選択肢を検討できる状況にある。
アレックス・ベルドゥーゴ(外野手)
外野手市場はここ1週間で大きく動いた。ランドール・グリチック(Dバックス)、ラモン・ラウレアーノ(オリオールズ)、トミー・ファム(パイレーツ)がいずれも1年契約(最低400万ドル以上)で新チームと合意している。
一方で、ベルドゥーゴはヤンキースで低調なシーズン(OPS+ 83、OPS .647)を過ごした。しかし、28歳の彼は2024年以前の5シーズンで平均以上の打撃成績を残しており、今シーズンは成績を向上させたいという強い動機を持っているはずだ。
アストロズは左打者を必要としており、ベルドゥーゴにとって理想的な移籍先となる可能性がある。
マーク・ファインサンド:MLB.comシニア・ナショナル・レポーター
引用元:mlb.com